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ダンジョン編 4 魔法使いの説得

——勇者と闇魔道士がダンジョンの前まで付いてきた魔法使いの説得をしていた!



勇者

「おい魔法使い、なんで付いてきたんだ」



魔法使い

「勇者さんが浮気をするのかと思うと居ても立っても居られなくなって」



勇者

「まず俺はお前と付き合ってないし結婚もしていない」



魔法使い

「!?」



勇者

「その『死ぬほど意外だ』みたいな反応やめろや」



闇魔道士

「我に任せろ魔法使い」



勇者

「闇魔道士?」



闇魔道士

「もし勇者が浮気しそうになったら勇者の料理に毒を()ぜて止めるからな」



勇者

「息の根をか?」



魔法使い

「勇者さん、あの約束を覚えてますか?」



勇者

「約束?」



魔法使い

「毎日起きたら『魔法使いさん愛してる』って叫んでくれるって言ったじゃないですか!」



勇者

「言ってねえよ」



魔法使い

「1日10万回!」



勇者

「日が沈むわ!」



狂戦士

「ヒャッハー! 女だぁ!」



勇者

「ややこしくなるからお前は出てくるなってば」



魔法使い

「男……? やっぱり勇者さんは男が好きだったんですね!」



勇者

「違うわ!」



魔法使い

「本当にもう、勇者さんは誰かれ構わず(また)を開くんですから」



勇者

「開いてねえよ!」



狂戦士

「俺も(また)()り出来るぜ」



勇者

「それただの開脚(かいきゃく)だろ!」



闇魔道士

「我は最近 身体が固くなってな……」



勇者

「聞いてねえよ!」



魔法使い

「勇者さんのアバズレ!」



勇者

「だから開いてねえつってんだろうが!」



魔法使い

「……じゃあ本当に浮気しないと約束してくれるんですね」



勇者

「だからしないってば」



魔法使い

「もし女を作って帰ってきたら殺しますからね」



勇者

「分かってるよ」



魔法使い

「闇魔道士を」



闇魔道士

「我!?」



勇者

「よし」



闇魔道士

「おい!」



魔法使い

「勇者さん、本当に無事に帰ってきてくださいね。すごく心配なんですからね」



勇者

「大丈夫だって、お前は心配し過ぎなんだよ」



魔法使い

「は? ヒモの分際で調子乗んな」



勇者

「すいませんでした!」



闇魔道士

「その辺にしておけ魔法使い。さっきも言ったが我がしっかり監視(かんし)するから安心しろ」



魔法使い

「本当ですか闇魔道士」



闇魔道士

「ああ。ピーマンは絶対に残させないぞ!」



勇者

「いや小学生か」



魔法使い

「ニンジンも残さないか見ておいてくださいよ!」



勇者

「保護者かお前ら!」



狂戦士

「じゃあ俺はセミの抜け(がら)を残さず食べるか監視しておくぜ!」



勇者

「食べねえよ!」



狂戦士

「じゃあ俺を食べるのか?」



勇者

「話を戻すな!」



闇魔道士

「おい貴様らそろそろストレッチの時間だぞ」



勇者

「知らんわ!」



おわり


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