ダンジョン編 3 買い出し
勇者
「さて、何を買おうか」
闇魔道士
「やはり食料は必須だろう」
勇者
「そうだな」
女騎士
「あと『くっころ』も忘れるな」
勇者
「売ってねえよ そんなもん」
女騎士
「でもあそこに『くっころ焼き』ので店が出ているぞ」
勇者
「なんで売ってるんだ! 焼いてるし!」
闇魔道士
「あと必要なものといえば回復薬か」
調合師
「何よ! 私の薬が信用できないっていうの!?」
勇者
「うおっ、調合師がキレた」
女騎士
「これはくっころチャンス!」
闇魔道士
「いやいや、そういう訳ではない。もし量が足りなくなった時に困るだろう」
調合師
「ふん、闇魔道士 嫌い……」
勇者
「おい闇魔道士、今夜の晩飯のメニューはなんだ?」
闇魔道士
「焼肉だ」
調合師
「闇魔道士やっぱり好き」
勇者
「変わり身はやっ」
闇魔道士
「貴様が好きなのは焼肉だろう?」
狂戦士
「おうおうおう! 喜べテメェら!」
——狂戦士が両手いっぱいにビー玉を抱えて戻って来た!
勇者
「何に使うんだそれ?」
狂戦士
「非常食に決まってんだろ!」
勇者
「食えねえよ! なんでビー玉なんだよ!」
狂戦士
「俺様くらいの狂戦士になると、いざとなれば岩でも食って行き伸びられる。でもお待らは岩なんて食えないだろうからな」
勇者
「ビー玉も食えんわ!」
調合師
「あとシャンプーとリンスとボディソープが欲しい……」
闇魔道士
「いやダンジョンに風呂は無いだろう」
勇者
「あるぞ」
闇魔道士
「有るのか」
勇者
「ダンジョンに住んでる水の精霊が冒険の協力をしてくれるんだと」
闇魔道士
「……まあ良い、あとは何が要る?」
狂戦士
「ボールとバットを買ってきたぞ!」
闇魔道士
「馬鹿たれ」
狂戦士
「ああん!? 気晴らしに野球したくなった時に使うだろうが!」
闇魔道士
「ダンジョンに野球を出来る場所があるわけ無いだろう」
勇者
「あるぞ」
闇魔道士
「なんで有るんだ!?」
勇者
「なんでもダンジョンの5階層は冒険者の休憩所になってて、その中に野球場もあるみたいなんだ」
闇魔道士
「総合レジャー施設かそのダンジョンは!」
女騎士
「おいお前ら、いくらなんでも要らない物を買いすぎだぞ」
勇者
「そうだそうだ」
女騎士
「だがまあ、この『くっころ焼き』でも食べて一息つこうじゃないか」
勇者
「お前も要らんもん買ってんじゃねえか!」
狂戦士
「くっころ美味いぞ」
勇者
「伝染ってる! 伝染ってる!」
女騎士
「おい勇者、一緒にあちらを見に行こう」
勇者
「ん、なんか良いもん あったのか?」
女騎士
「ああ! くっころとくっころと、あとくっころにくっころにくっころとあのくっころは特にくっころだから人数分欲しいな。それから」
勇者
「やめてぇ!!!」
続く
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