勇者と魔王のショートコント 28 誕生パーティー
女幹部
「魔王様、夕食の準備が整いました」
魔王
「そうか。では食堂に移動しよう……」
——食堂にて!
モンスター一同
「魔王様! 誕生日おめでとうございまぁす!」
魔王
「うわっ! 何事だ!」
女幹部
「何を言ってるんですか。今日は魔王様の誕生日じゃありませんか」
魔王
「いや私の誕生日は半年後だぞ!」
女幹部
「ふふっ」
魔王
「何がおかしい」
女幹部
「だって誕生日に誕生日を祝ったらサプライズにならないじゃないですか!」
魔王
「だからって半年ラグってたら何のパーティーか分からないだろ!」
スライム
「まあまあ魔王様、落ち着いてください。ちゃんと魔王様の喜ぶプレゼントを用意いたしておりますから」
魔王
「ほう、プレゼントがあるのか」
スライム
「では一つ目のプレゼントは女幹部様から渡して頂きましょう!」
女幹部
「友達の少ない魔王様に人形を用意しました」
魔王
「人形?」
人形
「キエエエエエエエエエエエ!!!!!」
魔王
「呪われる呪われる!」
女幹部
「ちょっとうるさ過ぎましたかね」
魔王
「そういう問題ではないわ!」
女幹部
「でも喋る人形探すの大変だったんですよ? やっぱり強い怨念でもない限りなかなか喋らないじゃないですか」
魔王
「『じゃないですか』って知らんわ!」
スライム
「さあ、次はいよいよ勇者の登場です! 勇者はどんなプレゼントを見せてくれるのでしょうか!」
魔王
「うっ、勇者も来てるのか……」
——チャイナドレスを着た勇者が現れた!
魔王
「貴様 私を殺す気か!!」
勇者
「そう焦るな。これはお前にプレゼントするために買ったんだからな」
魔王
「じゃあ何で着たんだ?!」
勇者
「ちなみに下にはスク水も着てるぞ」
魔王
「パッツンパッツンじゃないか!」
女幹部
「流石だ勇者」
魔王
「何が流石なんだ!?」
勇者
「チャイナドレスもスク水も両方やるよ!」
魔王
「両方持って帰れ!」
勇者
「まあどっちにしろ脱ぐんだけどな」
魔王
「私の誕生パーティーで汚いものを出すな!」
勇者
「ああ。だから『出し物』だろう?」
魔王
「黙れ!」
勇者
「まあスク水の下にはメイド服を着てるから問題無いんだけどな」
魔王
「三千世界か!!!」
スライム
「では全員ご起立下さい」
——モンスターたちが一斉に立ち上がった!
スライム
「魔王様の寝言、斉唱」
魔王
「させるかぁ!」
——魔王の闇魔法によりパーティー会場が吹っ飛んだ!
魔王
「はぁ、はぁ、やり過ぎたか……」
勇者
「ふう危なかった」
魔王
「毎度のことながらなんで無傷なんだ貴様!」
勇者
「おい魔王、お前もいろいろ言いたいことがあるだろうが、俺からもコレだけは言わせろ」
魔王
「……なんだ?」
勇者
「ハピバ」
魔王
「やかましいわ!」
おわり
お読みいただきありがとうございました!




