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勇者とお姫様のショートコント!!


勇者

「って事で今日からダイエット始めるぞ」



お姫様

「いよいよ始まるのですね!」



勇者

「参考にするから一日の食生活を教えてくれねえか?」



お姫様

「先ず朝食でステーキを10kgに目玉焼きを30個にパンを10(きん)食べますでしょ」



勇者

「お前 腹の中になんか飼ってんじゃねえのか」



お姫様

「次にサラダをボウル20個分に()かした芋を50個食べますでしょ」



勇者

「エンドレス・サマーか」



お姫様

「次に白身魚のムニエルを20皿にフルーツを少々」



勇者

「絶対に少々じゃねえだろ……」



お姫様

「と、ここまでが前菜(ぜんさい)でして」



勇者

「エンゲル係数どうなってんだ!」



お姫様

「まだ続きをお聞きになりますか?」



勇者

「なんだその戦争の悲惨(ひさん)さを話す人みたいな言い方は」



お姫様

「それで、私はどうすれば()せられるのかしら?」



勇者

「先ず食べる量を()らそう」



お姫様

「それは無理ですわ」



勇者

「ふざけんなデブ」



お姫様

「デブは余計ですわよ!」



勇者

「なんで無理なんだよ」



お姫様

「私は外に出られないストレスをどうにか食べる事で紛らわしているのです。ここで食べる量を減らしてしまえばストレスで死んでしまいますわ」



勇者

「もっと別の理由で死にそうなんだが」



お姫様

「他に()せる手段はありませんの?」



勇者

「他にってお前……、ウォーキングはどうだ? 別にそんなに速いペースで歩く必要は無いんだが」



お姫様

「三歩動いたらもう限界ですの」



勇者

「鳥頭かお前は」



お姫様

「他には何かありませんの?」



勇者

「うーん、そうだなぁ」



——その時、部屋の外からドアをノックする音が!



お姫様

「勇者、私の後ろに(かく)れて!」



勇者

「お前の後ろにいたら何も見えねえな」



兵士

「お姫様、お食事をお持ちいたしました」



お姫様

「ご苦労様。お下がりなさい」



——兵士は大きなカートを置いて出て行った!

——カートの上には鳥の丸焼きやステーキなどが並んでいる!



勇者

「まだ晩飯には早くねえか?」



お姫様

「ええ。だってこれオヤツですもの」



勇者

「どんだけ食べる気だよ!」



お姫様

「これくらいなら食べ終わるまで1分も()かりませんわ!」



勇者

「ブラックホールか!」



——勇者はカートを取り上げた!




お姫様

「ああっ! 勇者何をなさいますの!?」



勇者

「こんな量食ってたら一生痩()せられねえよ。これは没収(ぼっしゅう)だ」



お姫様

「……」



勇者

「おい?」



お姫様

「……ヨコセ」



勇者

「ん?」



お姫様

「食イモノヲヨコセエエエエエエ!!!」



——お姫様は四つん()いになって追ってきた!



勇者

「ひ、ひえええええ!」」



——お姫様の目は赤く光り、口からは(するど)(きば)(のぞ)いている!

——身の危険を感じた勇者はカートを押して城中を逃げ回った!



お姫様だったもの

「カエセ、カエセェェェェェ!」



勇者

「お前絶対に俺ごと()う気だろ!」



お姫様だったもの

「ソレハ ワタシノ コドモ!」



勇者

「いやお前の子じゃねえだろ!」




こうしてこの国に 「城の中には蜘蛛(くも)のように城中を()い回る豚がいる」

という新たな怪談(かいだん)が生まれたのであった。




つづく


お読みいただきありがとうございました!

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