勇者と魔王のショートコント 25
勇者
おい魔王! 今日こそは決着をつけてやる!
魔王
なんだ急に。
勇者
うるさい! お前を倒して世界に平和をもたらすんだああああ!
魔王
いや、私は貴様のせいでずっと人の住む地域への侵攻を辞めているんだが……。
勇者
魔王の言う事なんか信用できるかぁ!
魔王
貴様にだけは言われたくないわ。まあいい、ここで貴様を未来永劫 闇に葬り去ってくれるわ。
――勇者と魔王のショートコント、実に25回目にして初めて2人の戦いが始まろうとしていた!
勇者
うおおおおおお!
魔王
(中々の気魄だ。変態と言えどさすがにここまで来るだけの事はある)
勇者
まず尻を出します。
魔王
台無しか!
勇者
いいからお前も脱げ!
魔王
よくないわ!
勇者
そこに剣をセッティングしてだな。
魔王
普通に持てないのか!
勇者
俺の両手はお前の胸を揉むためにあるんだ!
魔王
キモいんじゃ!
勇者
いつまでツッコミしていられると思うなよ! いくぜケツ剣トルネード!
――勇者の尻が高速回転しながら魔王に迫る!
魔王
ぐぁっ! 汚いくせに普通に攻撃力が高い! だがこの程度!
全てを分かつモノよ顕現せよ! 「空虚なる深淵」!
勇者
ぎゃあああああ!
――勇者は真っぷったつになった!
魔王
ふん、口ほどにもない。
勇者
よいしょっと。
――くっついた。
魔王
モンスターか!
勇者
次はこっちの番だぜ魔王! はあああああ!
魔王
何だ!? 奴の身体に高濃度のエネルギーが収束していく――!? くっ! 防御魔法「カタパルト」
――魔王の防御力がグーンと上がった!
勇者
おっしゃ溜まってきたあああああ!
――勇者のカタパルトがグーンと伸びた!
魔王
おいナレーション!
勇者
俺のカタパルトも見てくれ。
魔王
黙れボウフラ!
勇者
いくぜ魔王! 俺がこの日のために磨いて来た最終奥義を喰らえええええ!
魔王
なんだ! 剣を尻に刺したまま何をする気なんだ!
勇者
いくぜ「おさわり」
――勇者は魔王の身体を触った!
魔王
ぎ、ぎにゃああああああああああああああ!!
――魔王は1059の(精神的)ダメージを受けて気絶した!
勇者
ふうスッキリした。
魔王
ヲイ。
勇者
あっ魔王おはよ。
――魔王の右ストレートが勇者を襲う!
勇者
フゴォ!
魔王
き、貴様は決してこの魔王城から生きて返さんからな……。
勇者
俺が悪かった! 俺が悪かったから仲直りのキスしよう。
魔王
『来たれ終末。終わりの始まり。始まりの終わり。全ての始まり。全ての終わり』
勇者
ちょっと待って魔王さん! それ本当に世界終わらせちゃう系の魔法だから! 本当に地球がヤバいから!
魔王
うるさい滅べ!
勇者
分かった、こうしよう! 俺はお前の気が済むまで黙って殴られ続ける。何百発でも殴っていいから、ちょっと落ち着こう。な?
魔王
……後悔するなよ。
――3時間後
勇者
もっと強く殴ってぇ!
おわり
お読みいただきありがとうございました!




