調合師のご奉仕 1
――宿屋にて 調合師は勇者の部屋に居た!
勇者
どうした調合師。俺と話がしたいなんて珍しいな。
調合師
相談したいことがあるの……。
勇者
お前もパーティー辞めるとか言うなよ。
調合師
辞めないわ……。でも私以外のみんなはパーティーに貢献しているけれど、私だけ貢献できるものがないって思ったの……。
勇者
お前そんなこと心配してたのか。
調合師
ニートの楽さは時が過ぎるにつれてプレッシャーに変わるのよ……。
勇者
経験者は語るのか。
調合師
闇魔道士はカニだけど料理は上手いし……。
勇者
あいつは「闇魔道士」と書いて「料理人」と読むからな。
調合師
女騎士はくっころだし……。
勇者
くっころだな。
調合師
あの性格の破綻している変態女でさえこのパーティーの資金面を支えているし……。
勇者
魔法使いに親でも殺されたのか。
調合師
それで私の次にやること無さそうな勇者に相談したの。
勇者
おい。
調合師
私はどうしたらこのパーティーに貢献できるかしら?
勇者
そうだなぁ。
――その時ベッドの下でうごめく影が!
魔法使い
勇者さぁん。
――魔法使いが現れた!
勇者
うわっ地縛霊かお前は!
魔法使い
ちょっと調合師、なに勝手に勇者さんの部屋に入ってるんですか!
勇者
お前だよ勝手に入ってんのは!
魔法使い
勇者さんの部屋に入る時は私の許可を取った上でボディチェックが必要です。
勇者
なんでお前の許可がいるんだよ!
魔法使い
ということで勇者さんのボディチェックをしますね。
勇者
させねえよ。今調合師と話してるんだから待ってろよ。
魔法使い
どうしていつも私は後回しなんですか!
勇者
お前がトリッキーな場所から出てきたからだよ。
調合師
魔法使いの空気読めなさを見ていたら私でもなんとかなる気がしてきたわ……。
魔法使い
へえ! 死にたいみたいですねえ!
勇者
俺の部屋で喧嘩すんな! おい調合師!
調合師
何……?
勇者
別に何か特別な事をしようと思わなくていいから、今お前ができる貢献をしてみたらどうだ?
調合師
身体で?
勇者
違ぁう!
魔法使い
この女やっぱり殺さないといけませんねえ!
調合師
冗談よ……。
勇者
まったく、貢献って色々あるだろ。闇魔道士の料理を手伝うとか買い出しを手伝うとか……。
調合師
うーん、そうね。ありがとう勇者。私にできる貢献を探してみるわ……。
――調合師は部屋を出て行った!
魔法使い
やっと二人きりになれましたね勇者さん!
勇者
ずっとベッドの下に居たんだろうが。
魔法使い
これからはベッドの上に居座ります!
勇者
いや出てけよ!
おわり
お読みいただきありがとうございました!




