勇者と魔法使いのショートコント 怪談編
魔法使い
勇者さんのバカ!
勇者
どうしたんだ?
魔法使い
勇者さんの性奴隷! 肉便器!
勇者
なんの悪口だよ。
魔法使い
どうして私を怪談話に誘ってくれなかったんですか!
勇者
すげぇタイムラグだな。
魔法使い
こうなったら私とこれから怪談話をしましょう!
勇者
いいけど。
魔法使い
では私から行きますよ! これは私がまだ魔法使いの時の話です。
勇者
じゃあ今何なんだよ。
魔法使い
ある日私は友達3人と一緒に肝試しをすることになりました。
勇者
ほう。
魔法使い
肝試しの場所は廃屋……。昔そこは高級宿屋で、殺人事件があったとされるところでした。
勇者
やだなぁ怖いなぁ。
魔法使い
宿屋の廊下を歩いているとき私は気付きました。
魔法使い
おかしい、明らかに人が増えている……!
勇者
ほ、本当かよ……。
魔法使い
どう数えても132人いる!
勇者
核分裂か。
魔法使い
おかしい、そんなハズはない! でも何度数えても1934人いる!
勇者
増えてんじゃねえか!
魔法使い
私は怖くなりました!
勇者
そりゃ怖いわ。
魔法使い
これはもう野球をするしかない!
勇者
だいぶ人あまるけど大丈夫か?
魔法使い
私が勇者さんにあったのはそんなときのことです。
勇者
おい時系列どうなってんだ。
魔法使い
そういう勇者さんも何か怖い話してくださいよ!
勇者
いやお前の話が全然収束してないんだが。
魔法使い
いいじゃないですか! 早く怪談話を終わらせて野球しましょうよ!
勇者
やらねえよ。俺の怖いものといったらお前だな。
魔法使い
どうしてですか! 私はこんなにか弱くて儚いのに!
勇者
はいはい。怖い話、そうだな。あれは俺が冒険に出る前のことだった。
魔法使い
何があったんですか!?
勇者
食いつきすぎだろ。俺の部屋に古いオルゴールがあったんだ。
魔法使い
へえ! 良い趣味してますねえ!
勇者
何のテンションだよ。
魔法使い
それでどうしたんですか!
勇者
ある日、夜寝ているとオルゴールが勝手に鳴り始めたんだ。
魔法使い
ふふっ。それ鳴らしたの私ですよ。
勇者
え?
魔法使い
私は勇者さんの怯える顔が見たくて仕方なかったんですよ……。
勇者
いや待て、俺がお前と会ったのは旅に出てからだろ……?
魔法使い
ねえ勇者さん、私はずっと前から貴方を知っていたんですよ。
勇者
……え? い、いつから?
魔法使い
前世の前世のその前から……。私はずっとずっと貴方の事を見ていたんですよ……。
勇者
おいガチのホラー路線に変更するのやめろよ!
魔法使い
やっと一緒になれましたね勇者さん! もう私は貴方を逃がさない!
勇者
ひいいいいいい!
魔法使い
ということで野球をしましょう。
勇者
やらねえよ!
おわり
お読みいただきありがとうございました!




