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勇者と魔王のショートコント 22

勇者

俺、小説家になろうと思うんだ。



魔王

なんだ急に。




勇者

そんで印税をもらって働かずに暮らすんだ。



魔王

既に働いていないだろう貴様。



勇者

ということでどんな話を書いたら売れるだろうか。



魔王

貴様の自伝を書いてみたらどうだ?



勇者

なんで?



魔王

いや、貴様の人生がギャグそのものなんじゃないかと思っただけだ。



勇者

よし書けたぞ!



魔王

どれだけ(うす)っぺらい人生なんだ!



勇者

それは宇宙が生まれるよりずっと前、時間という概念(がいねん)さえ存在しない悠久(ゆうきゅう)の昔のことでした。



魔王

いきなり神話みたいになっているぞ!



勇者

私は大工の父と犬並みの嗅覚(きゅうかく)を持った犬の元に生まれました。



魔王

後半ただの犬じゃないか!



勇者

そんな両親のもとでスコスコ育った私。



魔王

「すくすく」だろ!



勇者

私はどちらかというと大人しい子供でした。



魔王

嘘をつけ!



勇者

よく友達から「歩くチンコ」とか「チンコマン」「妖怪スカートめくり」とか呼ばれていました。



魔王

子供のころから手遅れか!



勇者

ちなみに魔王はどんなあだ名だった?



魔王

え? いや、私、子供のころ友達があまりいなかったから……。



勇者

今もじゃん。



魔王

黙れ!



勇者

私は学校では人気者でした。



魔王

本当か……?



勇者

クラスメイトからは露出魔(ろしゅつま)として一目置かれる存在であり、



魔王

完全に距離(きょり)を取られてるんじゃないか!



勇者

要注意人物として学校の掲示板に張り出されるほど名の通った生徒でした。



魔王

悪名だろそれは!



勇者

そんな私はある日、魔王の存在を知ります。



魔王

やっと勇者になるいきさつか。



勇者

私は魔王の肖像(しょうぞう)を見て、非常に(いきどお)りを感じました。



魔王

いや、そもそも貴様が初めて魔王城に来た理由はただの八つ当たりだったではないか。



勇者

このオッパイはけしからん!



魔王

そこか!



勇者

そして私は勇者になることを決めたのです。



魔王

分かっていたが不純すぎる!



勇者

だからオッパイを揉ませてくれ。



魔王

どうやったら小説家になる話から胸の話になるんだ!



勇者

ということで勇者と魔王の官能小説、始まります。



魔王

このネタ何回目だ!



勇者

もう原稿用紙1000枚分書いてあるぞ。



魔王

超大作か!



勇者

書き出しはこうだ。

『「ああん! ムチが身体に当たって気持ちいいよぉ!」と勇者は喜びの声を上げた』



魔王

貴様が(あえ)ぐのか!?



勇者

その後原稿用紙900枚にわたって俺の喘ぎ声が続くわけだ。



魔王

呪いか!



勇者

欲しくなっただろ?



魔王

いらんわ! ちなみに残りの部分は何が書いてあるんだ?



勇者

ムチで俺を叩く男の声。



魔王

魔王出てこないのか!?



終わり


お読みいただきありがとうございました!

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