女騎士がいなくなった
——朝!
勇者
ん? なんだ枕元に手紙が……。
——勇者よ、くっころ。私は先日立ち寄った街で探しているモンスターの有力な情報を得た。さっそく一人で討伐に向かおうと思う。勝手に決めてすまない。だが私はお前達を巻き込みたくないのだ。分かってくれ。もう会えないかもしれないが、今までお前達と一緒に旅が出来てくっころ楽しかった。みんなにもよろしく伝えておいてくれ。
勇者
あのバカ……!
***
魔法使い
で、枕元に女騎士が手紙を置いていたと……。
勇者
ああ、だから……!
魔法使い
夜這いの報告ですか。
勇者
違うわ!
闇魔道士
落ち着け貴様ら。言い争ってる場合か。
調合師
早く済ませて朝ごはん食べたい。
勇者
しかし女騎士のいうモンスターってなんなんだ?
魔法使い
そりゃもう、アレでしょ。
闇魔道士
アレだろうな。
調合師
アレしかないと思うの……。
勇者
くっころ!
魔法使い
どうしたんですか勇者さん。
勇者
まずい! 女騎士がくっころされる!
調合師
勇者に女騎士の口癖が感染ってるわ。
闇魔道士
そうくっころするな勇者。まだくっころされると決まったわけじゃない。
調合師
カニにも感染ってる……。
魔法使い
みなさん くっころくっころうるさいっころ。
調合師
魔法使いが一番重症だわ……!
勇者
俺は追う! 女騎士を一人で危険な目に遭わせてたまるか!
闇魔道士
しかしどちらに行ったら良いか分からないだろう。
魔法使い
くっころ困りましたね。
勇者
くっころ! どうして一人で出て行ったんだあのくっころは!
闇魔道士
よし我が魔法で女騎士の居場所を探してみよう。
勇者
いやでもお前魔法使えないじゃん。
闇魔道士
貴様は我をなんだと思ってるんだ。
魔法使い
くっころ早くしてください。
闇魔道士
……ホラガイホラガイニマイガイ
勇者
いやホラガイは巻貝だろ。
魔法使い
そこに突っ込むんですか。
闇魔道士
ほぇええええええ!
勇者
おい声。
闇魔道士
分かったぞ! 女騎士は今温泉に入っている!
勇者
なんだと!
闇魔道士
ほう、中々いい身体をしているじゃないか……。
勇者
ずるいぞ俺にも見せろ!
魔法使い
おい。
調合師
結局どこにいたの……?
闇魔道士
ここからそう遠くはないオロックという街だ。
勇者
じゃあ今すぐそこに行こう!
魔法使い
今からですか?
勇者
当たり前だろ俺一人でも行くぞ!
闇魔道士
そう急ぐな勇者。
勇者
これが急がずにいられるかよ!
闇魔道士
もうすぐ朝食が出来るぞ。
勇者
よし食べてから行こう!
——勇者一行は女騎士を追うことにした!(朝食を食べた後)
おわり
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