勇者と王様のショートコント
勇者Aのお話です。
――とある国にて。
王様
最近、魔王軍の侵攻が我が国を脅かしている。どうにか食い止める手は無いものか……。
部下
国中から勇者候補を集い、魔王討伐の任を与えるのはいかがでしょうか。
***
王様
……ということでお主に魔王討伐を命じる。
勇者
魔王を討伐したら何をくれるんだ?
王様
もし討伐できたなら1000万ゴールドの褒美を出そう。
勇者
それだけ?
王様
何?
勇者
だって魔王討伐って命がけなわけじゃん。もっと貰ってもバチは当たらないと思うんだけどなぁ。
王様
む……、仕方ない。それならお主のために家を用意しよう。
勇者
おっいいじゃん。
王様
では行くのだ勇者よ。
勇者
でもまだ足りない。
王様
なんだと?
勇者
だって俺が魔王を討伐できなかったらこの国は亡びるわけだろ? 国家存亡の危機を背負わされてこれっぽちじゃあ働けねえなあ!
王様
くっ……。なら仕方ない。我が国に伝わるこの伝説の壺をお主にやろう。
勇者
違うんだよ。
王様
何がだ。
勇者
いいか? 本当に俺に魔王討伐を依頼したいんなら今から俺のいう事は全て許可しろ。
王様
……それは聞いてみないと何とも言えん。
勇者
じゃあまず一つ目。先ずこの国の女は全員裸になること。
王様
いきなりダメに決まってるだろ!
勇者
じゃあ外出するときだけでいいよ。
王様
余計にダメだろ!
勇者
じゃあ2つ目。俺だけ おさわり自由。
王様
おかわり自由みたいに言うな!
勇者
そんな心配しなくても王様は触らないよ。
王様
そこじゃないわ!
勇者
3つ目。毎朝俺にみそ汁を作ること。
王様
なぜワシがみそ汁を作るのだ!
勇者
だってあの時は美味しいみそ汁作ってくれたじゃん!
王様
いつの話だ!
勇者
4つ目。この国で一番いい女をくれ。
王様
そ、それはダメだ。二番じゃダメなのか?
勇者
駄目だ。この前俺が風俗に行った時の話なんだが。
王様
お主本当に勇者なのか!?
勇者
半分サメみたいなのが出てきたんだ。
王様
顔の話か……?
勇者
もう半分はマグロだった。
王様
鮮魚店か!
勇者
だから2番じゃダメなんだ!
王様
お主 風俗の話がしたかっただけであろう!
勇者
そういえば王様の娘は絶世の美女らしいな。
王様
うっ、それは……。
勇者
よこせ。
王様
悪党か!
勇者
ゲヘへ! お前の妻ももらうぜ!
王様
せめて一人にしろ!
勇者
お前の母親も!
王様
見境なしか!
勇者
王の座も!
王様
魔王よりよっぽど侵略的じゃないか!
勇者
ということで次の要求に戻るぞ。
王様
ま、まだあるのか……。
勇者
うん、あと300個。
王様
帰れぇ!
おわり
お読みいただきありがとうございました!




