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勇者と聖女のショートコント 2

――とある町にて。



勇者

……さて、そろそろ行くとするか。



聖女

あっ勇者様! この前はありがとうございました! ……あれ、これからどちらへ向かわれるんですか?



勇者

よぉ聖女。これから魔王城に行くところだ。



聖女

……いつも魔王城に立ち寄ってますけど何をしているんですか?



勇者

(なんで俺がいつも魔王城に通ってるって知ってるんだ? ……、ここで魔王のパンツを盗んでるとか言ったら危ない気がする)何って、魔王をからかってるんだよ。



聖女

私の事もからかってくださいよ!



勇者

おい聖女よ。



聖女

なんですか?



勇者

俺が魔王をからかうのは深い理由があるんだ。



聖女

さすがです勇者様!



勇者

実は魔王はあと1年の命なんだ!(※嘘です)



聖女

ええっ! 難病に(おか)されているんですか!?



勇者

ああ。世界を支配しようとする魔王といえど、病魔には勝てず日に日にやつれている。



聖女

そんな……。



勇者

だから俺は魔王を元気付けてやるって決めたんだ!



聖女

さすが勇者様!



勇者

今日も元気いっぱい からかうぜ!



聖女

さす勇! 私も魔王城へ行きます! 私も勇者様と一緒に魔王さんを勇気づけたいんです!



勇者

よーし聖女ついてこーい!



聖女

はい! うーん、それにしても今日暑いですね。



勇者

だな。あー、喉かわいた。ジュースでも飲むか。



聖女

あれ、それ何のジュースですか?



勇者

魔王の秘密のジュース。



聖女

ええっ! 魔王さんのおしっこですか!



勇者

言い方が直球すぎるわ。いやただのレモンジュースだよ。

*第38部 勇者と魔王のショートコント 17 参照



聖女

私も聖水持ってますよ! 聖女ですからね。



勇者

ほう、ぜひ飲ませてくれ。



聖女

だ、ダメですよ。これは飲料水じゃないんですから!



勇者

そう固いこと言うなって。聖女の聖水グへへへへへァアアアアアアアアアアアアアアア!



聖女

どうしたんですか勇者様!



勇者

喉が焼ける! 喉が焼けるうううううううう!



聖女

ええっ! でもこれは悪しき者を(はら)う聖水であって人間には無害ですよ!?



勇者

残念ながら俺は悪しき者だったんだよ!



聖女

そ、そんな。 勇者様はきっと悪しき者に取り()かれているだけですよ!



勇者

いいから早く助けてくれええ!



聖女

えっと、えっと、こんな時どうすれば……、そうだ! この悪しき者を徹底的にいたぶる「清めの塩」を使えば取り()いてる悪しき者を(はら)えるはず!



勇者

いや待てそれはダメだろ!



聖女

ていっ!



——勇者は溶け始めた!



勇者

ニャアアアアアアアア! 溶ける! 溶ける! 死ぬ!



聖女

そ、そんな、なんで勇者様がナメクジみたいに溶けてるの……?



勇者

お前が全力で殺しに来てるからだよ!



聖女

嘘よ! 勇者様から離れなさい、この悪魔め!



勇者

お前だよ悪魔は!



聖女

もうこうなったら強行手段よ!



勇者

最初っからずっと強行手段じゃねえか!



聖女

鉄も鋼も焼き尽くす「聖女ビーム」を食らいなさい!



勇者

俺ごと始末する気満々か!



聖女

聖女ビーム!



勇者

やめ、ギャアアア……



——勇者は消し飛んだ!



聖女

ゆ、勇者様! ……でも勇者様はこれくらいじゃ死なないはず!



——勇者は土から湧いてきた!



勇者

殺す気かオラァ!



聖女

勇者様お帰りなさい!



勇者

いや永遠にサヨナラするところだったわ!



聖女

大丈夫です。そしたら私も後を追いますから。



勇者

いや重たすぎるわ! ……さて、気を取り直して魔王城へ行きますか。



聖女

はい!



——一方、魔王城では



魔王

あ、なんか寒気がする。



つづく


お読みいただきありがとうございました!

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