表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
41/212

闇魔道士、パーティーやめるってよ

勇者

どうしたんだ? 二人で話がしたいなんて。



闇魔道士

大事な話があるのだ。



勇者

大事な話?



闇魔道士

我は、このパーティーを辞めようと思う。



勇者

……え? なんだって?



闇魔道士

だから、我はこのパーティーを抜けたいのだ。



勇者

ちょ、ちょっと待てよ! 何で急に辞めるなんて……!



闇魔道士

実はとある組織からお呼びが掛かった。我の力が必要だと。



勇者

ふざんけんな! 俺たちだってお前の力が必要だよ!



闇魔道士

そういってアナタは一度でも我を抱いてくれたことがあったかしら!?



勇者

あったら違う話になるだろうが!



闇魔道士

いいから我の話を聞け!



勇者

ボケたのお前だよ!



闇魔道士

その組織は我の闇力を絶対的に必要としていると言っていた。もし来るのならトップの座を開けて待つとも。



勇者

いや、なんかそれ怪しくないか?



闇魔道士

ふん、闇の組織とはおおむね怪しいものなのだ。



勇者

ちなみに何の組織なんだ?



闇魔道士

高級宿屋だ。



勇者

どこだよ闇は!



闇魔道士

その高級宿屋というのが、まともな料理人がおらず潰れかけなのに女将(おかみ)が太っていたりして闇力満点なのだコレが。



勇者

そっちの闇かよ!



闇魔道士

我の力さえあれば宿屋は復活すると女将が言ってくれた。



勇者

でもなんでそっちに移りたいって思ったんだ? 魔王討伐をして同級生を見返したいって言ってたじゃねえか。



闇魔道士

ああ言った。だが我は年も年だ。そろそろ定職について落ち着かねばならないと思っている。



勇者

なんだお前、実は子持ちか何かなのか?



闇魔道士

人をシシャモみたいに言うんじゃない!



勇者

言ってねえよ!



闇魔道士

我は子なしシシャモだ!



勇者

結局シシャモなのかよ!



闇魔道士

そういう貴様はなぜ我を引き留める?



勇者

まず料理を作る奴がいなくなると困るからな。



闇魔道士

結局それか! 貴様もやはり我の身体が目当てだったということだな!



勇者

おい言い方! あと俺はお前と一緒に旅したいと思ってるし、ほかの3人もお前がいなくなったら悲しむぞ。



闇魔道士

そんなフワフワした理由で我を引き留められると思うなよ! マシュマロみたいに!



勇者

やかましいわ!



闇魔道士

マシュマロみたいに!



勇者

なんで二回言ったんだよ!



闇魔道士

FUWA FUWA!



勇者

うるせえ!



闇魔道士

じゃあもし我が闇魔法を使えなかったとしても一緒に旅を続けたいか?



勇者

(お前はコックだから)一向に構わねえよ! 



闇魔道士

だが我の意志は固い。もう決めたんだ。



勇者

ふざんけんな、俺は認めねえ。



闇魔道士

そんな納豆みたいにネバネバしていると女から嫌われるぞ。



勇者

なんとでも言えよこの身勝手野郎。いいか! このパーティーのみんなはなぁ!



――ドアの開く音



調合師

お腹すいた……。



勇者

お前のことが大好きなんだよ!



闇魔道士

そんな言葉には(だま)されんぞ! 我の身体が目当てのクセに!



調合師

あっ……。



勇者

あっ。



調合師

失礼しました。



勇者

ま、違うんだ! 待ってぇ!




続く


お読みいただきありがとうございました!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=onツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ