勇者と魔法使いと闇魔道士と調合師と女騎士のショートコント
勇者
ただいま。
闇魔道士
遅いぞ貴様ら。
勇者
今更だけど仲間に向かって貴様らて。
女騎士
私は女騎士。とある理由でこのパーティーに入れてもらうことになった。これからよろしく頼む。
調合師
この女が「くっころ」なのね……。
闇魔道士
魔法使いはあんなに反対していたのに、結局仲間にすることにしたのだな。
魔法使い
ええ。どんなに女が増えようが、勇者さんは私から逃れられないわけですし。
勇者
死の呪いかお前は。
女騎士
そこの少女とは初対面だな。
調合師
ええ。私は調合師。よろしくっころ……。
勇者
略すな略すな。
女騎士
ああ、よろしくっころ。
勇者
素なのかノリなのか……。
闇魔道士
しかし本当に貴様がパーティー入りするとはな。
女騎士
お前はあの時スープを作ってくれた調理人だな。
闇魔道士
違う!
勇者
えっ違うの?
闇魔道士
我は闇魔道士。冥府の門の番人にして光を遮る深淵の戦士。森羅万象ありとあらゆる魔法の頂点に君臨する闇魔法を生業とする者。並びに料理を得意とするもの。
勇者
じゃあ合ってんじゃねえか。
女騎士
あのスープはうまかったぞ! また飲みたいものだ!
闇魔道士
ふん。そんなもの我がパーティーにいればいくらでも飲ませてやるぞ。
勇者
いつからお前のパーティーになったんだよ。
女騎士
ところでこのパーティーに名前はあるのか?
勇者
名前?
女騎士
ああ。「くっころファイターズ」とか「くっころスワローズ」みたいな。
勇者
なんだそのヘッポコピーみたいな。いや名前なんて考えたこともなかったなあ。
魔法使い
これを機に決めてみるのも面白いかもしれませんよ。
闇魔道士
どうせならとびっきり格好いい名前にしよう。「暗黒大魔王」とか「黒炎龍王」とか。
勇者
いや名付けた翌日に恥ずかしくなるパターンだろそれ。
魔法使い
そうですよ。もっと分かりやすい名前の方が良いですよ。「魔法使い御一考」とか「魔法使いとゆかいな仲間たち」みたいな!
勇者
お前もちゃっかり私物化しようとしてんじゃねえか。
女騎士
ここはシンプルに「くっころ」でいくのはどうだ?
勇者
言うと思ったけどそれは無い。
女騎士
じゃあ「くっころ祭り」
勇者
何する祭りなんだよ。
女騎士
じゃあ「くっころフェスティバル」!
勇者
結局祭りじゃねえか!
女騎士
なぜ祭りが駄目なのだ!
勇者
「くっころ」の方がアウトなんだよ!
調合師
もっと適切な方がいい……。
勇者
例えば?
調合師
肝臓とか。
勇者
なんで臓器なんだよ。
調合師
じゃあ腎臓は?
勇者
チーム腎臓って不気味すぎるだろ。
調合師
じゃあ腎症
勇者
なんで患った。
魔法使い
ちなみに勇者さんは何か良いアイディアはありますか?
勇者
そうだなぁ。うーん「ブタさんチーム」とか「牛さんモーモー」とか
全員
「「「「却下」」」」
勇者
ひどい。
――結局パーティー名は決まらなかった!
終わり
お読みいただきありがとうございました!




