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勇者と魔王のショートコント 15

勇者

あー。風邪引いちまった。



魔王

じゃあ家で寝ていろよ。そもそも貴様は前回死んでいただろう。



勇者

そんな冷たい事言うなよ。やばい鼻水が止まらない。



魔王

ちょっと待て今ちり紙を……。



勇者

なんか今朝から100リットルくらい出てる気がするんだよな。



魔王

ダムか。



勇者

あまりに出て仕方ないから魔王城の壁に塗りつけながら来たんだけどさ。



魔王

ストリートペイントか。



勇者

まあ夜になったら光って中々綺麗だと思うんだよね。



魔王

深海魚か。



勇者

うん。



魔王

うん、て。



勇者

昨日の晩から腹も痛くてさ。3時間しか寝れなかったわ。



魔王

なにか変なものでも食べたんじゃないのか。



勇者

いや昨日は魔王の下着しか食べてない。



魔王

おい。



勇者

でさ、寝てる時あまりに腹が痛いから起きて電気付けてみたら、俺の腹から未知の生命体が出てきてたわけよ。



魔王

なぜその状態で3時間寝れたんだ。



勇者

しょうがないからバターソテーにして食ったら意外とうまかったよ。



魔王

何がしょうがなかったんだ。



勇者

あ、俺一人じゃ食いきれなかったから魔王にも少し……。



魔王

いらんわ。



勇者

あー。風邪引くと健康のありがたみが分かるよな。



魔王

どうしたそんなまともな事を言って貴様らしくもない。



勇者

俺がもし健康だったら今日も朝から魔王の寝室に忍び込んで下着を物色したり魔王が書いてる乙女ティックな日記を朗読したりするというのに。



魔王

ちょっと待て。貴様まさかあれを読んだのか……?



勇者

いや、読んでないよ。「今日は 晴れていて どこまでも空が青く まるで 私の心を見透(みす)かすように」



魔王

やめろ! それ以上言ったら殺すぞ!



勇者

顔が赤いぞ魔王。熱でもあるんじゃないのか?



魔王

無いわ!



勇者

続きはなんだったかな。「ああ。今日も偉大な勇者様に会いたい。この身体を捧げたい」



魔王

そんな事は一切書いていない!



勇者

あー、やばい。余計な事喋ってたらクシャミが出そう……。



魔王

せめて あちらを向いてからにしてくれ。



勇者

はっ……はっ……はっ……。



魔王

(ちょっと嫌な予感がするから下がっておこう)



勇者

は、は、ふぁー!



魔王

……。



勇者

……は、は、はあ。



魔王

……。



勇者

は、は、は、ふーっ!



魔王

……。



勇者

んー?はーっ!はーっ!ふーっ!あー。



魔王

溜めが長くないか。



勇者

待て今度こそ出る!はっ、はっはっ……!



魔王

……。



勇者

はっ! はっ! はぁー! おっぱい!



魔王

殺す。



勇者

待て早まるな! 出すから! 今度こそ中に出すから!



魔王

出さんでいいわ!



勇者

はーっ! はーっ! ンー!パー!



――勇者のクシャミは魔王城を粉々に破壊し、人類は希望を取り戻すのであった。



おわり



魔王

え? なにこの終わり方。



お読みいただきありがとうございました!

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