魔法使いと女騎士の対決 2戦目
――女騎士のパーティーメンバー入りを掛けて魔法使いと女騎士の戦いが続いていた!
魔法使い
フフフ、もう後がありませんよ女騎士。
女騎士
敗けたら私の実力が足りなかった、それだけのことだ。
勇者
おい女騎士。お前やっぱり俺たちのパーティーに向いてないかもな。
女騎士
何故だ?
勇者
いや真面目過ぎるから。
魔法使い
さあ行きますよ2回戦目! 今度はお色気対決!
勇者
お色気……?
魔法使い
そうです。ヒロインたるもの色気が無ければ主人公を魅了できませんからね。
勇者
今更だがお前はヒロインじゃない。
魔法使い
ではルールを説明します。私と女騎士が一人づつ勇者さんに向けて性的なアピールをします。
勇者
「性的な」とか言うな!
魔法使い
両方を見て勇者さんにはどちらがより魅力的だったか言ってもらいます。
勇者
あ、なんか俺おいしい思い出来そう。
女騎士
破廉恥だぞお前たち!
勇者
どうした女騎士?
女騎士
こんな真昼間から、せ、せいて、くっころ!
勇者
収束点かよ。
魔法使い
では今回は私から行きますよ!
勇者
ん? お、おい! 服を脱ぐな! そういう戦いなのかコレ!?
魔法使い
残念ですねえ勇者さん! あらかじめ下に水着を着ていたのでした!
勇者
おお! それは黒のホルターネック(ビキニ)!
魔法使い
詳しいですね。
勇者
いつも体型の分かりづらい服装をしている魔法使いがセクスィーに大変身! 大胆に肌を露出しながらも黒のビキニがダークなイメージを崩さないままその肉感的なボディを引き立てる!
魔法使い
勇者さんの変態。さあ、今の私に点数を付けるとしたら何点ですか!?
勇者
うーん。これはほぼ満点といって良いんじゃないかな。でも性格がアレだから99点。
魔法使い
殺しますよ?
勇者
ごめんなさい。
魔法使い
もうすでに勝負はついたようなものですけど、一応女騎士のアピールも見せてもらいましょうか。
女騎士
わ、私は水着なんか持ってないぞ!
魔法使い
へえ! じゃあもう負けを認めたようなものですねえ!
女騎士
くっ! 私は戦わずして敗れるというのか! それは嫌だ!
魔法使い
じゃあ裸にでもなるって言うんですか!?
女騎士
な! 誰がなるものか! この女騎士を愚弄するつもりか!?
魔法使い
威勢だけじゃ勝負には勝てませんよぉ!ホラホラ!
勇者
前回に引き続き魔法使いが完全に悪役と化している!……いや元からか。
女騎士
くっ! こんなに手も足も出ずに蹂躙されるとはなんたる屈辱……! いっそ殺せ!こんな屈辱を味わうくらいなら死んだ方がマシだ!
勇者
15000点。
魔法使い
勇者さん!?
勇者
女騎士が女騎士女騎士している!
魔法使い
言ってる意味がよく分からないんですが……。
勇者
分からないのか! これこそハイファンタジーなんだよ!
魔法使い
……はい?
勇者
いいか! この女騎士はも元々シチュエーションも考えずくっころくっころ言ってただけだ! だが今回は違う! そもそも「くっころ」とは「くっ殺せ!」つまりこれからイヤらしい事されるか殺されるかっていう切羽詰まった状況でこそ使用されるセリフなんだよ! それを日常生活、しかも腹から横隔膜から「くっころ」「くっころ」連発してみろ! どこだよシチュエーションは! どこだよフェティシズムは! どこだよ「くっころ」感は! だが今! 不完全ながら俺は本物の「くっころ」を見た。そこにいるのは真面目で清廉な女騎士。 戦いしか知らない彼女は穢れを知らず水着になることさえ恥ずかしがる清純さ! なんだコレは! 女騎士だよ! 絵にかいたような女騎士だよ! 俺は待ってたよ! ずっとずっと夢見てたさ! 女騎士が正しいシチュエーションで「くっころ」というこの時を!
女騎士
恥ずかしいからもう止めてくれ!
勇者
そもそもぉ!
――2回戦目 女騎士の勝利!
つづく
お読みいただきありがとうございました!




