魔法使いと女騎士の対決 1戦目
女騎士
また会ったな魔法使い。
魔法使い
そうですね。まあこれが最後になるわけですけど。
勇者
それで戦うってどうするんだ?お前が本気で戦ったらこの街もろとも吹き飛んじまうだろう。
魔法使い
へえ! 勇者さん私の心配をしてくれるんですか!
勇者
いや街の方の。
魔法使い
私もそれくらい考えてますよ。そこで今回の勝負は平和的なものにしようと思っています。
勇者
ほう。
魔法使い
名付けて!「ドキッ! 女だらけのヒロイン争奪戦! ツッコミ勇者は欲求不満!?」
勇者
昔の深夜番組かよ。
魔法使い
そういうわけで勇者さん脱いでください。
勇者
嫌だよ!
女騎士
結局のところ何をする勝負なのだ?
魔法使い
ルールはいたって簡単! これから出される3つのお題で勇者さんをより満足させた方が勝ち!
女騎士
いいだろう。やってやる。
魔法使い
ではお題その1。これは定番でしょう。料理対決!
女騎士
料理か……。よし任せろ!
――30分後
女騎士
出来たぞ!
勇者
これはコロッケか?
女騎士
違う!「くっころ」だ!
勇者
お前この世の90%くらいは「くっころ」で出来てると思ってそうだな。
女騎士
さあ召し上がれっころ!
勇者
……いただきます。
女騎士
どうだ!
勇者
……あ、うまい。普通にコロッケだこれ。
女騎士
くっころ力はどれくらいだ!
勇者
計測してねーよ。
魔法使い
次は私の番ですね。
勇者
そういえば一番古株のお前の料理食ったこと無いな。
魔法使い
それはプロポーズですか?
勇者
なんでだよ。それで、お前は何を作ったんだ?
魔法使い
私は肉じゃがを作りました。
勇者
意外と家庭的だな。
魔法使い
プロポー
勇者
違う。
魔法使い
まあ食べてみてくださいよ。
勇者
……ん? なんか変な臭いしないかこの肉じゃが?なんか汁も緑色だし……。
魔法使い
さあ! 早く! 早く食べないと失格になりますよ!
勇者
これ俺の戦いじゃないだろ!
魔法使い
ほら! 早くお食べ! スライムの内用液とゴブリンの血でダシを取った特製の汁ですよ?
勇者
どこだよ肉じゃがは!?
魔法使い
さあ勇者さん! これを食べるか1回戦目は私の勝ちにするか早く選ぶのです!
勇者
完全に脅迫じゃねえか!
女騎士
お前の勝ちでいいぞ。
魔法使い
アハハ! 私の勝ちですね!
勇者
お前 完全に悪役だな。
――1回戦 魔法使いの勝利!
つづく
お読みいただきありがとうございました!




