勇者と魔王のショートコント ラノベ
勇者
「俺、小説家になろうと思うんだ」
魔王
「前も同じことを言ってなかったか?」
勇者
「今回は小説は小説でもライトノベルだ!」
魔王
「ら、ライトノベル……?」
勇者
「ライトノベルに必要なモノ、それは長すぎるタイトル」
魔王
「例えば?」
勇者
「『勇者だけど全裸になることにした』とか」
魔王
「うわ絶対読みたくない」
勇者
「そういう魔王もタイトル何か考えてみろよ」
魔王
「うーん、『魔王城には不審者が出る』とか……?」
勇者
「やだ不審者こわ―い」
魔王
「貴様のことだ!」
勇者
「次は俺な。『魔王のパンツは勇者の口の中ですが何か?』」
魔王
「何か? じゃないわ!」
勇者
「いいだろ、ほんの10着くらい」
魔王
「ハムスターか!!」
勇者
「いやハムスターはパンツを口に含んだりしない」
魔王
「知っとるわ!」
勇者
「それに今のはラノベのタイトルを言ってみただけで、本当に俺の口の中にパンツが含まれているわけじゃない」
魔王
「本当か……? しかしタイトルがウケたからと言って、結局中身が面白くなければ誰も買わないのではないか?」
勇者
「ふっ、甘く見てもらっては困る。なんせ俺は天才と呼ばれた男!」
魔王
「胡散臭い」
勇者
「本屋でバイトをしていた時は『エロ本の勇者』と呼ばれていた」
魔王
「それ多分馬鹿にされてるんだと思うが。あと小説関係ないし」
勇者
「では俺の頭の中にある小説の構想を語ってやろう!」
魔王
「いや聞きたくないんだが……」
勇者
「『あるところに勇者がいました。勇者は露出を繰り返しては自警団のお世話になっていました』」
魔王
「非行を繰り返す不良少年みたいに言うな」
勇者
「『しかしそんな勇者はある時魔王討伐することを決め、早速仲間を集めることにしました』」
魔王
「ラノベじゃなくて貴様の自伝になってるぞ」
勇者
「『そして勇者はようやく一人の娘を口説き落とすことに成功しました』」
魔王
「もうただのナンパじゃないか」
勇者
「『その娘の美しさは人間離れした、人間よりも鉛筆に近い存在でした』」
魔王
「どんな顔なんだ!?」
勇者
「さあここからが見せ場だぞ!『勇者と娘は旅の途中モンスターに襲われました!』」
魔王
「戦闘シーンだな」
勇者
「『モンスターに負けじと服を脱ぎ始める勇者!』」
魔王
「うん、いつもの事だな」
勇者
「『メキメキと昆虫型モンスターに変形しはじめる娘!』」
魔王
「変形!?」
勇者
「『娘に負けじと深海魚型モンスターに変形する勇者!』」
魔王
「場に気持ち悪いモンスターしかいないじゃないか!」
勇者
「『こうして三匹は魔王城までやって来ましたとさ……』」
魔王
「来るなぁ!」
おわり




