狂戦士のモンスター討伐 4
――双剣士はモンスターに捕まり、牢獄に入れられていた!
モンスター
「ぐへへへへ……」
双剣士
「いや、やだ、来ないで」
モンスター
「ぐへへ、口では嫌がっていても本当はコレが欲しいんだろお……?」
双剣士
「そんなものいらない! 早く出て行ってよ!」
モンスター
「そう言うな……ほらほら!」
双剣士
「いやっ、近づけないで!」
モンスター
「いいから口に入れろお!」
双剣士
「だからモチはいらないって言ってるでしょ! なんで朝昼晩三食モチなのよ!」
モンスター
「ほら喰えい!」
双剣士
「いやっ! これ以上食べたら体重がヤバいことに!」
モンスター
「ぐへへ! 俺はモチモチに太った女の方が好みなんだぜ!」
――その時、牢獄の外に一人の男が現われた!
狂戦士
「ヒャッハー!」
双剣士
「狂戦士! ……助けに来てくれたの?」
狂戦士
「違う!」
双剣士
「ええっ違うの!?」
狂戦士
「俺様はモチを喰いに来たんだ!」
双剣士
「……ちょっとでもときめいた私がバカだったわ」
狂戦士
「あ、そういえば俺ってケツから毛が生えてたんだった」
双剣士
「何その世界一不潔なリマインダー」
狂戦士
「まあついでだからテメエも出してやるよ」
双剣士
「でも鉄格子が……」
モンスター
「げへっ! 入れるもんなら入ってみろ人間!」
――狂戦士は鉄格子をいともたやすく捻じ曲げた!
双剣士
「うそっ、すごい力……!」
狂戦士
「この鉄格子モチで出来てたぞ」
双剣士
「嘘ぉ!?」
モンスター
「バカな……!」
狂戦士
「バカはテメエだぁ! あとそこの女も」
双剣士
「う、うるさい!」
狂戦士
「さあモチを寄こしな!」
双剣士
「やっぱりモチが優先なんだ」
モンスター
「欲しけりゃくれてやるぜ!」
――狂戦士はモチで出来た網に囚われてしまった!
狂戦士
「んほお!」
双剣士
「なんで喘ぐの?」
狂戦士
「ちっ、これじゃあ身動きが取れねえ」
モンスター
「ぐへへへへ! 残念だったな! お前も喉に詰まるまでモチを食わせ続けてやるぜ!」
狂戦士
「……おい双剣士、夏と言えば?」
双剣士
「えっ、急に何?」
狂戦士
「いいから答えろ!」
双剣士
「夏といえば……海かな」
狂戦士
「そう、セミだね」
双剣士
「なんで聞いた上でスルーするのよ!」
狂戦士
「そういうわけで脱皮しようと思う」
双剣士
「どういう決意表明よ!」
狂戦士
「よいしょっと」
――狂戦士の皮から新しい狂戦士が誕生した!
双剣士
「本当に出来るの!?」
狂戦士
「ところでそこのモンスター」
モンスター
「な、なんだ」
狂戦士
「俺様もモチを作って来たんだ。テメエにくれてやるよ」
――狂戦士はモチを差し出した!
モンスター
「ほう、見た目は悪くないが、何が入ってるんだ?」
狂戦士
「ティッシュを丸めただけだ」
双剣士
「なんでそれをモチと言い張ろうと思ったの?」
モンスター
「う、うまい! うますぎる!」
――あまりの美味しさにモンスターは倒れた!
双剣士
「(もう突っ込むの疲れた)」
狂戦士
「お前も食うか?」
双剣士
「いらないわよ!」
狂戦士
「むっしゃむっしゃ」
双剣士
「食べるな!」
――狂戦士は倒れた。
双剣士
「死ぬなぁあ!!」
おわり




