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勇者と魔王のショートコント 48 肝試し


魔王

「暑い。溶けそうだ」




勇者

「俺が全身の汗を拭いてやろうか」




魔王

「ヒマワリ畑の肥やしにするぞ貴様」




勇者

「それで、俺に何の用だ?」




魔王

「呼んどらんわ! 何だその『呼ばれて来ました』みたいな言い方は!」




勇者

「なあ肝試しに行こうぜ」




魔王

「肝試し?」




勇者

「俺の家の近くに曰く付きの神社があるんだ。俺も心霊現象を体験した」




魔王

「何があったんだ?」




勇者

「あれは俺がいつものように魔王のパンツを奉納に行った時だった」




魔王

「いつものように!?」




勇者

「いつものように神社に着いた俺は、勇者教の信者たちと一緒にパンツを囲んで踊りを踊っていた」




魔王

「心霊現象よりよっぽど不気味なんだが」





勇者

「その時だった! どこからかヒザの笑う声が聞こえてくる」




魔王

「どんな音だ!?」




勇者

「怖くなった俺たちは互いに尻を叩きあった」




魔王

「その光景の方がよっぽど怖いわ!」




勇者

「しかし依然としてヒザの笑い声が止まらない! もうダメだと思った俺たちは魔王のパンツを置いて逃げて来たんだ」




魔王

「取ってこい!」




勇者

「そう言うと思って後で取りに行った」




魔王

「返せ」




勇者

「今履いてるぞ」




魔王

「本能か!!」




勇者

「欲しけりゃ脱がせろよ」




魔王

「断る! お前なんか大嫌いだ!」




勇者

「……え? 魔王って俺のこと嫌いだったの?」




魔王

「今さら気付いたのか!?」




***




勇者

「ということがあったんだ」




女幹部

「それは全面的にお前が悪い」




勇者

「そうだよな……」




女幹部

「せめてパンツを頭に被っていればその場で渡せたのに」




勇者

「俺も口に含むかどうかで迷ったんだよなあ」




女幹部

「魔王様と仲直りをしろ、勇者」




勇者

「仲直りって言ったってどうするんだよ」




女幹部

「肝試しをするんだ。そして魔王様を楽しませろ」




勇者

「魔王城をお化け屋敷にするのか」




女幹部

「そうだ。仕掛けを考えるぞ」




勇者

「そうだな。急に部屋の明かりを落とすのはどうだ?」




女幹部

「ほう」




勇者

「そして暗闇の中で、俺の生尻がライトアップされるわけだ」




女幹部

「悪夢だな」




勇者

「俺の尻だけで足りなければあと3000玉用意できるぞ」




女幹部

「キャベツみたいに言うな」




勇者

「そういうお前は何か良い案ないのかよ?」




女幹部

「もっと恐ろしいことを考えるんだ。魔王様は並大抵のことじゃ怖がらないからな」




勇者

「あいつが怖がるものってどんなの?」




女幹部

「ピーマンだ!」




勇者

「お前も中々ポンコツだな」




女幹部

「暗闇の中、魔王様にカットしたピーマンを投げたらきっと『ひいいいい! ゴーヤ! マガリス! フーチバー!!!』と言って逃げ惑うだろう」




勇者

「なんで全部沖縄の作物なんだよ」




女幹部

「夏だからな!」




勇者

「そういうことか!」




女幹部

「完璧だな!」




勇者

「当日が楽しみだ!」




おわり


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