勇者と魔法使いと闇魔道士のショートコント 13 ウェイトレス
闇魔道士
「我は店を開くことにしたぞ」
魔法使い
「それで、どうして私が呼ばれたんですか?」
闇魔道士
「実はウェイトレスが欲しいと思ったのだ。貴様は性格はアレだが顔だけは良いからな」
魔法使い
「失礼な言い方ですね。殺しますよ」
闇魔道士
「んもう! そういう所!」
魔法使い
「でも調合師や女騎士には頼まないんですか?」
闇魔道士
「調合師は自分の店を持っているし、女騎士はくっころで忙しそうだったからな」
魔法使い
「まあどっちにしても私がいれば大丈夫ですよ」
闇魔道士
「自信ありげだな。ウェイトレスをしていた経験でもあるのか?」
魔法使い
「当然です。私は酒場のアルバイトを5分でクビになった女ですよ」
闇魔道士
「一番雇ったらダメな奴じゃないか!」
魔法使いと
「大丈夫ですよ。カップルが来たら別々の席に座らせれば良いんですよね?」
闇魔道士
「何だその隔離政策は」
魔法使い
「まあでも、働くとなったら接客の練習はしておきたいですね」
闇魔道士
「そう言うと思って勇者を連行してきたぞ」
勇者
「いきなり縛られて連れ去られたと思ったらそういうことか……」
魔法使い
「このまま煮込みましょうか」
勇者
「待て待て待て待て! 森の魔女かお前は!」
闇魔道士
「勇者よ、殺されたくなければ客の役を演じるのだ」
勇者
「なんで脅すの!?」
闇魔道士
「はいアクション!」
勇者
「映画の撮影か」
魔法使い
「いらっしゃいませ」
勇者
「席空いてる?」
魔法使い
「外野席なら空いてます」
勇者
「スタジアムか」
魔法使い
「今なら30分すっきりコースと1時間たっぷりコースがあるんですが」
勇者
「完全にいかがわしい店だな」
魔法使い
「今でしたら闇魔道士が指名出来ますよ」
闇魔道士
「我!?」
勇者
「指名しないよ。俺メシ食いに来てるからさ」
魔法使い
「チッ。でしたらメニュー表をご覧ください」
勇者
「(舌打ちされた)うーん、今日の日替わりランチって何?」
魔法使い
「私の血です」
勇者
「いらんわ! 何のイニシエーションだよ!!」
魔法使い
「早く決めないと腕をへし折りますよ?」
勇者
「そして何で脅し入ってんの!? ええい、じゃあこの野菜炒めで!」
魔法使い
「ヘイ! 闇魔道士の特大ソーセージセット一丁!」
勇者
「名前に悪意しか感じねえ!」
闇魔道士
「脱いだ方が良いか?」
勇者
「脱がんでええわ!」
魔法使い
「えー、ではお会計させて頂きます」
勇者
「俺まだ何も食ってねえよ!」
魔法使い
「合計で100万Gになります」
勇者
「高っ! 何の代金だよ!」
魔法使い
「私との会話代です」
勇者
「こっちが払ってもらいたいわ!」
魔法使い
「払えないんなら勇者さんの体で」
勇者
「くっころ!」
※魔法使いはクビになりました。
おわり