勇者と調合師と女騎士のショートコント ローション
――勇者と女騎士は調合師から呼び出されていた!
勇者
「どうした調合師?」
調合師
「この箱を開けて欲しいの。私の力じゃ開かなくって……」
勇者
「なんだそんな事か。俺が開けてやろう」
勇者
「ふんっ! ふううううううん!!」
女騎士
「ヒッヒッフー! ヒッヒッフー!」
勇者
「産卵中じゃねえよ」
調合師
「どうして卵を産む前提なの……?」
勇者
「ダメだ、全然開かない」
女騎士
「情けない奴だな。ここは私に任せろ!」
勇者
「頼んだ」
女騎士
「行くぞ! くっころパワー!」
箱
「くっころぉ!」
女騎士
「よし!」
勇者
「何がよしなんだよ」
女騎士
「ダメだ。くっころパワーは注入出来たが、固くて開けられなかった」
勇者
「魔法使いに頼んだらどうだ?」
調合師
「嫌……。あの女に頼んだら中身ごと破壊されそうだし」
女騎士
「確かに」
箱
「確かに」
勇者
「油を塗って滑りを良くしてみるのはどうだ?」
女騎士
「ローションならあるぞ」
勇者
「なんでローション持ち歩いてんだよ」
調合師
「勇者がいやらしい事を考えている……」
勇者
「ばっ、考えてねえよ!」
女騎士
「これを勇者にぶちまければ良いんだな」
勇者
「いや箱に……うわっぷ!」
――勇者はローションまみれになった!
勇者
「どうしてこうなった」
女騎士
「勇者、よく似合ってるぞ」
勇者
「どういう意味だ! ええい、お前にもぶっかけてやる!」
女騎士
「きゃっ! いやぁ!」
勇者
「こんな時だけ女々しい声出すんじゃねえ!」
女騎士
「ううっ、勇者にドロッとした液体を掛けられてしまった……」
勇者
「おい言い方! まるで俺がぶっかけたみたいな言い方やめろ!」
調合師
「その通りじゃない」
勇者
「うるせえ!」
女騎士
「こんな時は調合師も道連れにしよう。ダバーっと」
――女騎士は調合師にぶっかけた!
調合師
「いやっ! 勇者やめて……!」
勇者
「掛けてるの俺じゃねえよ!」
調合師
「その顔をやめて」
勇者
「全否定!?」
調合師
「ううっ……、勇者に汚されちゃった……」
勇者
「だからなんで全部俺のせいなんだよ! とにかく水の精霊を呼ぶから洗い流してもらおう」
水の精霊
「呼んだかのって、うわっ! 滑る! 滑る! 勇者の分泌液で滑るう!」
勇者
「だから俺のじゃねえってば!!!」
――4人は将棋倒しになった!
勇者
「ナニコレ」
女騎士
「全部勇者のせいだ」
勇者
「だいたいお前のせいだよ!」
魔法使い
「大きな音がしたと思ったら、何をやってるんですか勇者さん」
勇者
「あっ。これはその……」
魔法使い
「歯を一本一本抜い、って何ですかこの部屋! めっちゃ滑るじゃないですか!」
――魔法使いもすっころんだ!
魔法使い
「これが勇者さんのオs」
勇者
「違ぁう!!」
おわり
お読みいただきありがとうございました!