狂戦士のモンスター討伐 2
双剣士
「それで、この村を襲ったのはどんなモンスターだったの?」
村長
「奴らは集団で襲ってきて、村中の食糧を掻っ攫って行ったのじゃ」
双剣士
「人的な被害は無かったの?」
村長
「ワシだけパンツを取られたぞ……」
双剣士
「特殊ね」
村長
「お願いじゃ。アイツらがまた襲ってくるかもしれん。どうにか討伐してくれ! そしてパンツの敵討ちを頼む!」
双剣士
「私がいれば問題ないわ。王国随一の剣の使い手ですもの」
狂戦士
「(こいつ本当くっころ力高そう)へっ、モンスター相手にそんな肩書きがあてになるかよ!」
双剣士
「そういう貴方は強いのかしら?」
狂戦士
「ああ夏の日差しのより強ぇぞ」
双剣士
「強さのベクトル違うんだけど」
狂戦士
「さて、それじゃあ戦略を立てようぜ」
双剣士
「戦略? そんなもの要らない。私が一人で」
狂戦士
「馬鹿。こういう時こそ油断しちゃ危ねえんだよ。しっかり勉強して期末試験に備えねえとな」
双剣士
「後半なんの話?」
狂戦士
「じゃあ俺様が考えた戦略を紹介するぞ。先ずは俺様が物陰に隠れてセミを食べながら待機しておく」
双剣士
「バカなの?」
狂戦士
「ちゃんとお前の分も残しておいてやるから」
双剣士
「いらないわよ! なんでモンスター討伐でセミを食べることにフォーカスしてるのよ!」
狂戦士
「ちゃんと討伐のことも考えてるぞ」
双剣士
「そのセミの下りからどうする気?」
狂戦士
「俺がセミを食べている間にお前がモンスターを倒すんだ」
双剣士
「アンタ何もしてないじゃない!」
狂戦士
「セミを食べながら応援してるぞ」
双剣士
「やっぱり何もしてないじゃない! 真面目に考えなさいよ!」
狂戦士
「すまん」
双剣士
「まったく」
狂戦士
「セミじゃなくてイナゴを食べるべきだったな」
双剣士
「なんでさっきから虫を食べることしか考えてないの? スズメなの?」
狂戦士
「くるっぽー!」
双剣士
「それ別の鳥類!」
狂戦士
「心配するな。プランBもしっかり考えている」
双剣士
「全然期待できないわね」
狂戦士
「先ずお前がパンツを脱ぐ」
双剣士
「何のために!?」
狂戦士
「それを俺様が被る」
双剣士
「アンタ私のパンツ被りたいだけでしょ!」
狂戦士
「そうだ!」
双剣士
「『そうだ』じゃないわ!」
狂戦士
「そして俺が頭から外したパンツに清めの塩を振る」
双剣士
「まるで私のパンツが穢れてるみたいな言い方やめなさいよ!」
狂戦士
「そしてこれを近くの神社に奉納する」
双剣士
「するな! そもそもモンスター討伐はどうなってるのよ!」
狂戦士
「次に俺がパンツを脱いで」
双剣士
「もういいわ!」
おわり
お読みいただきありがとうございました!