狂戦士のモンスター討伐 1
――狂戦士はとある村を訪れていた!
狂戦士
「ヒャッハー! 民家だぁ! 狂戦士らしく扉から入るぜ!」
狂戦士
「ごめんくださいオラァ!」
――そこには歳をとった村人がいた。
村長
「誰じゃ! ちなみにワシは村長じゃ!」
狂戦士
「俺は天下の狂戦士ぃ! 死にたくなきゃ食い物を」
村長
「うおおおおおおん!」
狂戦士
「え? なになに?」
村長
「この村にはもう何もない! モンスターによってほぼ全ての食料を奪われてしまったのじゃ!」
狂戦士
「モンスター?」
村長
「そんなに食いたきゃワシを食え! 性的に!」
狂戦士
「要らねえよ!! んだよ、本当に何も残ってねえのか?」
村長
「今残っている食料は味噌と片栗粉だけじゃ」
狂戦士
「すごい取り合わせだな」
村長
「これっぽちの食料でどうしろと言うのじゃ!」
狂戦士
「しゃーねえ。おいテメェ、俺様に味噌汁を作れ。そうすりゃモンスター退治を手伝ってやってもいい」
村長
「はっ! それはプロポーズか!?」
狂戦士
「んなワケあるかぁ!!」
***
村長
「出来たぞ!」
狂戦士
「よし」
村長
「船が!」
狂戦士
「味噌汁は!?」
村長
「世は大航海時代!」
狂戦士
「誰が海賊王になるって言ったんだよ!!」
村長
「これからワシのことは村長ではなく船長と呼べ」
狂戦士
「やかましいわ! 味噌汁飲みたい飲みたい!」
村長
「ふっ、ワガママボーイめ。ちゃんと作っておるぞ」
狂戦士
「ちゃんとあるんじゃねえか」
村長
「具がなくて寂しかったからその辺の雑草を入れといたぞ」
狂戦士
「入れんな! まあ仕方ねえ、飲むか」
村長
「あと石」
狂戦士
「殺す気かテメェ!」
村長
「あとワシの血」
狂戦士
「黒魔術か!」
???
「お邪魔するわ」
――一人の少女が入って来た!
狂戦士
「なんだテメェ! さては俺様の味噌汁を狙ってやがるな!!」
???
「いや知らないけど」
狂戦士
「じゃあテメェ、この村に何の用だ!」
村長
「おい! それは村人であるワシのセリフじゃ!」
双剣士
「私は魔導双剣士。この村にモンスターが出ると聞いて退治しに来たわ」
狂戦士
「(コイツくっころ力高そう)」
村長
「おお! よく来てくださった、双剣士様! 焼きたてのパンとシチューをお召し上がり下さい!」
狂戦士
「あっ! テメェ俺には味噌と片栗粉しかねえって言ったじゃねえか!」
村長
「たわけ! 男に食わせるシチューなんぞ無いわ!」
双剣士
「いや、私要らないんだけど……」
――二人の揉み合いで床にシチューがこぼれた!
狂戦士
「もったいない!」
村長
「もったいない!」
――二人は犬のようにシチューを舐め始めました。
双剣士
「……帰ろうかなあ……」
つづく
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