勇者と魔法使いのショートコント お化け屋敷
魔法使い
「遊園地に行きましょうよ、勇者さん」
勇者
「そうだな、みんなで……」
魔法使い
「二人で行きましょうよ!」
勇者
「馬鹿野郎! お前と二人きりで行ったら、俺が変死体となって発見されるパターンだろうが!」
魔法使い
「勇者さんって私に対して容赦ないですよね」
勇者
「とにかく二人は無理だ。危険すぎる」
魔法使い
「じゃあお化け屋敷だけでいいから行きましょうよ!」
勇者
「いや一番危ない所じゃねえか」
魔法使い
「はい、お化け屋敷に着きましたよー」
勇者
「何が起きたんだ!!?」
魔法使い
「愛の力で時空を捻じ曲げました」
勇者
「お前腕力で捻じ曲げただろ!」
お化け
「うらめしやっ!」
勇者
「歯切れが良いな」
魔法使い
「キャー勇者さん怖ーい」
勇者
「お前の方が怖いよ」
魔法使い
「なんで優しく抱きしめてくれないんですか!」
勇者
「急にキレんな」
魔法使い
「そんなんだから勇者さんはモテないんですよ!」
勇者
「じゃあこんな時モテる男ならどうするんだ?」
魔法使い
「もちろんお化けを解体して、スープにして『ほらこれを食べて元気を出して』って言ってくれるのがモテる男ですよ!」
勇者
「悪魔だろそいつ!!!」
魔法使い
「さあ早く解体してくださいよ!」
勇者
「嫌だよ猟奇殺人じゃねえか!」
――お化けは逃げて行った!
魔法使い
「あーあ、逃げられちゃった」
勇者
「本当に食べるつもり、じゃ、ないよな……?」
魔法使い
「じゃあ私が怖がらせる役やりますね」
――向こうからカップルが歩いて来た!
魔法使い
「あっ、勇者さん獲物が来ましたよ」
勇者
「獲物……?」
カップル女
「キャー怖ぁい」
カップル男
「俺が付いてるから大丈夫だよ」
魔法使い
「ようこそゴミども」
カップル男
「なんだこの女」
カップル女
「きゃはは! ブサイクなお化け!」
魔法使い
「謝りなさい、謝らなければあなたたちは名誉棄損の罪で3年以下の懲役、若しくは禁錮、又は50万円以下の罰金に処されます」
勇者
「どんな怖がらせ方だ!」
カップル男
「ひぃえええええええ!」
――カップル男はおしっこを漏らした!
勇者
「そんで怖がり過ぎぃ!」
魔法使い
「さて、次は女を……」
勇者
「もういいだろ魔法使い!」
魔法使い
「退かないと勇者さんも一緒にホットケーキの具にしますよ」
勇者
「ホットケーキの具なんて無いわ!!」
魔法使い
「じゃあ今度二人でデートしてください。そうしたら女は許してあげますよ」
勇者
「ええ……」
魔法使い
「もちろん嫌だって言った瞬間、勇者さんの鼻にリンゴを100個詰めますからね」
勇者
「俺の鼻はアイテムボックスか! ……分かった。(死ぬのはイヤだから)デートしよう」
魔法使い
「フフフフフ……勇者さんとデート、勇者さんと血祭デート……」
勇者
「おい今不穏な言葉が聞こえたぞ!」
おわり
お読みいただきありがとうございました!