勇者と魔王のショートコント 46 動物園
勇者
「魔王、動物園に行こうぜ」
魔王
「断る」
勇者
「何でだよ! ゾウさんとかヘビさんとか見たいだろ!」
魔王
「いや何が見たいかより、誰と行くかが問題なんだ」
勇者
「まあゾウさんもヘビさんも俺の股間にいるわけだが」
魔王
「黙れ」
勇者
「ヘビと言えば俺さ、アナコンダを首に巻かせてもらったことがあるんだ」
魔王
「ほう、どうだったんだ?」
勇者
「ヘビはずっと俺の股間に潜り込もうとしていた。仲間がいると思ったんだろう」
魔王
「……貴様本当に何でも下ネタに持っていこうとするな」
勇者
「魔王よ覚えておけ。男はみんな、頭をチンコに支配されているのさ」
魔王
「……」
勇者
「まあ俺は違うけどね」
魔王
「嘘つけ! 貴様が一番頭チンコじゃないか!」
勇者
「チンコで思い出したんだけどソーセージを持ってきたんだ」
魔王
「汚い連想ゲームやめろ!」
勇者
「いる?」
魔王
「いらんわ!」
勇者
「美味しいよ?」
魔王
「それ食べてたら貴様のチンチンが脳裏をチラつくだろうが!」
勇者
「チンチラが何だって?」
魔王
「言ってないわ!」
勇者
「魔王は本当にチンチンが好きだなあ」
魔王
「いや何の言いがかりだ!」
勇者
「まあアレだ。話はそれたが動物園に行こうぜ?」
魔王
「断る」
勇者
「ホテル代は俺が出してやるから」
魔王
「何の話をしているんだ貴様!」
勇者
「俺も下見で行ってみたんだけどさ。広くて開放的で散歩にはいい所だったぞ」
魔王
「動物園が開放的?」
勇者
「ライオンもトラも放し飼いになってて」
魔王
「それサファリパークじゃないのか!?」
勇者
「喉元に噛みつかれたけどギリギリでかわせたわ」
魔王
「かわせてないじゃないか!」
勇者
「そろそろ俺のソーセージ食べたくなっただろ?」
魔王
「動物園はどうした!」
勇者
「うーん、そうだな。じゃあ魔王、お前かわいいもの好きだよな」
魔王
「まあ、好きだが」
勇者
「その動物園ではモッコモコのヒツジさんとか触り放題だぞ」
魔王
「うっ、ちょっと行きたい……」
勇者
「フッサフサのウサギさんとか小さくて可愛いぞ」
魔王
「はぁぁ、ウサギ触りたい……」
勇者
「あとカッサカサのおっさんとか」
魔王
「汚っ! なんで人間が飼育されてるんだ!?」
勇者
「よく酒を飲みながらツマミを食べる様子が観察される」
魔王
「本当にただのおっさんじゃないか!」
勇者
「そして、この前ツガイになったばかりだ」
魔王
「女もいるのか?」
勇者
「いや相手もおっさん」
魔王
「汚物の品評会か!!」
勇者
「よく互いに尻を叩き合う様子が観察される」
魔王
「それ絶対貴様の信者どもだろ!!」
勇者
「動物園に行きたくなっただろ?」
魔王
「死んでも行かんわ!」
おわり
お読みいただきありがとうございました!