勇者と魔法使いと闇魔道士と調合師と女騎士と狂戦士のショートコント 夏が来る
勇者
「暑ぅ! まだ5月なのに暑すぎだろ……」
調合師
「勇者はいつも面白いリアクションをするのね……」
魔法使い
「勇者さんが熱湯の中に落ちた時のリアクションなんか最高でしたよ」
※第32部 勇者と女騎士の決闘参照
勇者
「落ちたんじゃなくて落とされたんだよ! お前らに!」
女騎士
「魔法使い以外にそんなひどい事をする奴がいるのか」
勇者
「お前じゃい!」
闇魔道士
「しかし本当に暑いな」
魔法使い
「今のうちに夏の予定を立てておきたいですね」
勇者
「夏と言えば、やっぱり海だろ」
女騎士
「海と言えば海水浴っころだな!」
勇者
「どこからでも『くっころ』をねじ込もうとするハングリー精神やめろ」
調合師
「海水浴と言えば、水着だと言いたいんでしょ? 勇者のスケベ……」
勇者
「お前はどうしても俺を変態にしたいみたいだな」
魔法使い
「海水浴と言えば、ナンパが鬱陶しいですよね」
勇者
「え? お前がナンパされることなんかあるの?」
魔法使い
「ありますよ! 私が海岸を歩けば砂浜からうじゃうじゃ亡者たちが湧いてくるんですから!」
勇者
「アンデッドじゃねえか! その海岸で何があったんだ!」
闇魔道士
「ナンパか……、我はそんな事よりも出店を出したいな」
勇者
「ほう、何の店だ?」
闇魔道士
「無難にタコ焼きだな」
女騎士
「じゃあくっころ焼きも売ろう!」
闇魔道士
「そうだな」
勇者
「おい納得すんな!」
狂戦士
「おいテメェら何の話してんだ? みんなで俺様の乳首の色について話し合ってたのか?」
勇者
「そんな気色悪い話するわけねえだろ! いや、みんなで夏の予定を考えてたんだよ」
狂戦士
「夏と言えばセミだな! セミがやかましいな!」
勇者
「まあ、やかましいけど」
狂戦士
「今年も片っ端から食ってやるぜ!」
勇者
「妖怪かお前は!」
狂戦士
「テメェも付き合えや!」
勇者
「絶対に嫌だ!」
調合師
「夏と言えば、肝試しがやりたい……」
勇者
「肝試しかあ。果たしてこのビビリばっかのパーティーで成立するかどうか」
闇魔道士
「ふん、幽霊を恐れるなど情けない奴らめ」
勇者
「怪談話でちびってたのはどこの誰なんだよ」
魔法使い
「おや? 闇魔道士の肩に青白い手が見えますよ?」
闇魔道士
「ピャー!」
勇者
「ワオキツネザルか」
女騎士
「だが夏の一番の風物詩といえば花火だな!」
勇者
「確かに花火は定番だな」
魔法使い
「私、打ち上げ花火を上げるのが得意ですよ。いっぱい火薬を積んで打ち上げましょうよ」
勇者
「いや死人が出るだろ!」
魔法使い
「アハハ! 花火目当てに集まって来たカップルなんて死ねばいいじゃないですか!」
勇者
「ダメに決まってんだろ!」
おわり
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