遺跡調査 3 勇者と闇魔道士と狂戦士のショートコント 2 トラップ
――勇者と闇魔道士と狂戦士は遺跡の調査に来ていた!
勇者
「やっと遺跡に着いたな」
闇魔道士
「最初に依頼を受けてから半年以上経ってしまった」
狂戦士
「ヒャッハー!」
勇者
「いつも元気だなお前は」
狂戦士
「で、この遺跡にエロ本の山が眠ってるってワケか」
勇者
「そんなわけあるか。俺たちはどんな執念の中学生だよ」
闇魔道士
「この遺跡には古代エルフの魔導書が眠っているらしいのだ」
勇者
「それを持って帰れれば1000万ゴールドの報酬が出るってわけだ」
狂戦士
「イイじゃねえか! もちろん助っ人の俺様は500万ゴールド頂くからな!」
勇者
「いいよそれで」
狂戦士
「あとテメェの笑顔も!」
勇者
「どっかの怪盗か」
***
――遺跡内部で勇者たちは逃げ回っていた!
勇者
「みんな逃げろ! でっかい石が転がって来たぞ!」
闇魔道士
「ダメだ! 人の足で逃げ切れる速さではない!」
狂戦士
「んなもん俺様の大剣でぶっ飛ばしてやるぜえ!」
――狂戦士は転がってくる石をはじき返した!
勇者
「えっ、狂戦士すごっ!?」
――そして闇魔道士に直撃した!
闇魔道士
「ぎゃあああああああああああ!」
勇者
「闇魔道士いいいい!」
狂戦士
「ファウルボールにご注意ください!」
勇者
「いやもう遅いわ!! おい闇魔道士、大丈夫か!」
――闇魔道士はつぶれてペラッペラになっている!
勇者
「うわわわわ。闇魔道士が紙みたいになってる!」
闇魔道士
「ふう、間一髪だった」
勇者
「いやもろに直撃してたぞ!?」
闇魔道士
「これが噂の紙回避というやつだな!」
勇者
「破っていい?」
闇魔道士
「らめぇ!」
***
――次の部屋を前にして三人は立ち止まっていた!
狂戦士
「おいどうしたんだよ。早く進もうぜ」
勇者
「まあ次の部屋を見てみろ。壁一面にビッシリ穴が開いてるだろ?」
狂戦士
「あの穴から素麺が流れてくるのか」
勇者
「お前の頭は夏休みか」
闇魔道士
「恐らくあそこから矢が飛んでくる、と勇者は言いたかったのだろう?」
勇者
「そういうことだ。だから迂闊に飛び込まないほうが」
狂戦士
「しゃらくせえ!! 俺様に当てられるもんなら当ててみろや!!!」
――狂戦士は飛び出していった!
勇者
「おい馬鹿!」
――おびただしい矢が飛び出して全部狂戦士に刺さった!
勇者
「言わんこっちゃねえ!」
狂戦士
「へっどうしたどうした! 一本も当たってねえぞお!」
勇者
「いやヤマアラシみたいになってるぞ!?」
狂戦士
「そうさ! 俺様に触れるとケガするぜえ!」
勇者
「ケガしてんのお前だよ!!!」
闇魔道士
「それ痛くないのか?」
狂戦士
「痛い」
勇者
「痛いんじゃねえか!」
つづく
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