勇者と魔王と女幹部のショートコント 心霊現象
女幹部
「最近、魔王城で心霊現象が相次いでいるのですが……」
魔王
「実は私も体験したんだ」
勇者
「お前も?」
魔王
「幽霊より厄介なのが来よった」
勇者
「で、どんな事があったんだよ」
女幹部
「私が洗面台で顔を洗っていたところ、後ろから青白い人影が」
勇者
「それ俺の尻じゃないのか?」
女幹部
「そんなわけないだろ! あれはお前の尻よりも魔王様の顔に似ていたぞ!」
魔王
「やめろ! その言い方だと私の顔が勇者の尻に似ているみたいじゃないか!」
勇者
「それで魔王はどんな怖い思いをしたんだ?」
魔王
「……夜寝ていると金縛りにあって、ようやく目を開けると、すーっと青白い光が移動していくのが見えたんだ」
勇者
「それも俺の尻だ」
魔王
「ホタルか!」
女幹部
「私の心霊体験はもう一つあります。……あれは魔王様の部屋に盗聴器を仕掛けに行った時のことでした」
魔王
「何をやってるんだ、このサイコストーカー!!!」
勇者
「それも俺の尻だ」
魔王
「何が!?」
勇者
「じゃあ次は俺の心霊体験を語ってやろう」
魔王
「いや貴様は存在自体がホラーだろ」
勇者
「あれは俺が魔王の部屋にケツを忘れた時のことだ」
魔王
「プラモデルか!!」
女幹部
「え? 知らないんですか魔王様。普通の人はお尻を取り外せるんですよ? なあ勇者」
勇者
「ねー」
魔王
「ぜ、絶対嘘だ! 私は騙されないからな!」
勇者
「魔王よ、夜一人で寝るのが怖いんなら俺が一緒に寝てやろう」
魔王
「ダメだ。私の部屋が穢れる」
女幹部
「ハアハア。じゃあ私が……」
魔王
「お前もダメだ!」
――夜! 魔王の寝室にて!
魔王
「いたた。うーん、やっぱり幾らつねってもお尻は取り外せないじゃないか」
魔王
「さて盗聴器も全て取り外したし、そろそろ寝るか」
魔王
「……zzz」
――ウウ……ウウウウ……
魔王
「う、うめき声!? 気のせい、だろう……?」
――ウウウウウウ……!!
魔王
「やっぱり幽霊のうめき声だ……! 誰か助けて、勇syいや女幹部……!」
勇者
「ウウウウウウ、魔王、整腸剤もってない?」
魔王
「貴様かあああああああああ!!!」
勇者
「おい夜は静かにしろよ。近所迷惑だぞ」
魔王
「黙れ!」
勇者
「そんな事よりさっき俺に助けを求めてなかったk……」
――魔王は勇者を窓から放り投げた!
勇者
「ア――レ――」
魔王
「はあ、はあ、気持ち悪かった……」
勇者
「おい殺す気かよ」
魔王
「なんで居るの!?」
勇者
「俺を殺したきゃあ世界の終わりまで待つんだな」
魔王
「この化け物め!」
勇者
「いやここ魔王城だろ」
悪霊
「あの……」
魔王
「え?」
悪霊
「そろそろグオオオオ!!」
魔王
「そろそろ!?」
――悪霊たちが襲ってきた!
勇者
「空気を読んでいたみたいだが除霊させてもらうぞ。俺の尻を見ろ」
――勇者は尻を出した!
魔王
「ここにも悪霊がっ!」
悪霊
「ぎゃあああああああああああ! 尻だけは! 尻だけは止めて! 地獄に落ちるううううう!」
――悪霊たちは勇者の尻に吸い込まれていった!
魔王
「地獄そこ!!!?」
勇者
「ケツの穴はいつも一つ」
魔王
「黙れ!!!」
おわり
お読みいただきありがとうございました!