勇者と聖女のショートコント 6 勇者教総本山にて
勇者Aのお話です。
――勇者教総本山にて!
勇者
「さあみなさん、今日も元気に尻を叩き合いましょう」
信者
「教祖様、いつになったら女性の信者が入るんでしょうか……?」
勇者
「いいから黙って叩け」
信者
「たまには女性信者と……」
勇者
「うるせえ! それ以上言うと俺の尻を叩かせるぞオラァ!」
信者
「ヒェーッ! それだけは! それだけは!」
聖女
「ごめんくださーい」
勇者
「げっ! お前なんでこんなところに……」
聖女
「宗教を始めたんですね! 私も入れてくださいよ!」
勇者
「ダメだ。勇者教は尻に悩みを抱える未婚の男しか入れない(嘘)」
聖女
「わー! 臭そー!」
勇者
「臭ぇぞオラァ!」
信者
「教祖様正気ですか!? こんな可愛い子とお尻を叩き合えるチャンスですよ!?」
勇者
「じゃあお前がナンパして来いよ。止めといた方が良いと思うけど」
信者
「いいんですか! いやっほう!」
――10秒後
信者
「お墓お墓お墓お墓お墓お墓お墓お墓お墓お墓お墓お墓お墓お墓お墓お墓」
勇者
「ゾンビになってる!」
聖女
「ところで信者の方は何人くらいいらっしゃるんですか?」
勇者
「今は3000人くらいかな」
聖女
「うふふ、墓標が3000……」
勇者
「おい何考えてんだこの殺戮者!」
聖女
「冗談ですよ! 勇者さんにはこの前命を救われましたしね!」
勇者
「ああ悪魔のことね」
※第143部 勇者と悪魔のショートコント 魔界にて 参照
聖女
「いえ、ウシガエルの養殖の件です」
勇者
「何それ1ミリも知らない」
聖女
「今度私が所属している宗教団体にも遊びに来てくださいよ!」
勇者
「ああ、お前も宗教やってるんだ」
聖女
「聖女ですからね!」
勇者
「お墓教とか……?」
聖女
「やだなー! そんなヤバそうな宗教に入る人なんていませんよー!」
勇者
「僕、あなたよりヤバい人を未だに見たことないんですけど」
聖女
「そうでしょうね」
勇者
「自覚あるのかよ!」
聖女
「私たちの所属している宗教団体は『死装束』と言います」
勇者
「どうしようもなく不吉な名前だな」
聖女
「でも中身はまともですよ?」
勇者
「……ちなみに何を崇拝してるんだ?」
聖女
「『血』です」
勇者
「もうその時点で何人か死んでそうなんだけど!」
聖女
「そこまで死んでませんよ」
勇者
「死んでんじゃねえか!」
聖女
「でも献金をする必要もない懐に優しい宗教ですよ?」
勇者
「いや安全第一だろ!」
聖女
「献血する必要はありますけど」
勇者
「日◯赤十字か!」
聖女
「勇者さんも献血していってくださいよ!」
勇者
「いやだよ!」
聖女
「お願いです! ほんの50リットル!」
勇者
「いってき残らず絞り取る気じゃねえか!」
終わり
お読みいただきありがとうございました!