勇者と魔法使いと狂戦士のショートコント 朝の散歩
勇者
「うーん、朝の散歩は気持ちいいな」
魔法使い
「私が一緒にいるから更に気分が良いですよね?」
勇者
「あー帰ろうかなー」
――狂戦士が飛び出してきた!
狂戦士
「ヒャッハー!」
勇者
「なんか久しぶりだな」
狂戦士
「テメェらさっきから俺様が何のシャンプーを使っているか噂していたな」
勇者
「なんで朝からお前のパーソナルケアを気にしないといけないんだよ」
狂戦士
「まあ俺様も朝の散歩は好きだぜ」
勇者
「なんだ、俺たちの会話を聞いてたのか」
狂戦士
「飛び跳ねるバッタとか取って食べられるもんな!」
勇者
「カマキリか」
魔法使い
「狂戦士、ここにいるってことはギルドメンバーになるつもりなんですか?」
狂戦士
「ふっ、俺様はどの組織にも属さない! そう、一匹カマキリ狂戦士!」
勇者
「なんかちょっと弱そうだな」
狂戦士
「んだとコラぁ! 俺様の尻にケンカ売ってんのか!」
勇者
「お前の本体はケツの穴なのかよ」
狂戦士
「面白ぇ! 俺とお前、どっちが強ぇか勝負しろ!」
勇者
「よし、そろそろ身体も鈍ってきたところだし、腕試しといくか」
魔法使い
「勇者さん、貞操を失わないように気を付けてくださいね」
勇者
「何の勝負なんだよ」
狂戦士
「おいテメェらこっちを見ろ!」
――狂戦士はネバッとしたスライムを持っている!
勇者
「……まさかそれを食べるとか言うなよ?」
狂戦士
「誰がそんな狂ったことするかぁ!」
勇者
「いやお前名前に『狂』入ってんだろ」
狂戦士
「ルールは簡単、このスライムに身体を這わせて声を上げなかった方が勝ちだ」
勇者
「誰がやるか! そんな気色悪いこと!」
魔法使い
「私も勇者さんがスライムで悶絶するとこ見たいな―」
勇者
「お前は黙ってろ!」
狂戦士
「ふっ、聞いて驚け。俺様はこの勝負において3勝127敗の輝かしい戦績を残しているのだ!」
勇者
「130回もこんな気色悪い事を誰とやってたんだよ!?」
魔法使い
「あと自信満々な割にはだいぶ負け越してますね。敏感なんですね」
狂戦士
「ほらほらどうした!? 俺様が怖くて手も足も出ねぇみたいだなあ!」
勇者
「うーん、俺も初めてで要領が分からないからお手本が見たいな。お前が先にスライムを這わせてみてくれよ」
狂戦士
「へっ! やってやるzんほおおおおお!!」
勇者
「堕ちるの早っ!」
魔法使い
「127回も負けるわけですね」
狂戦士
「ど、どうだ見たか! これであああああああん!」
勇者
「さて帰るか。そろそろ朝飯の時間だ」
魔法使い
「今日はシャケの塩焼きを出すって闇魔道士が言ってましたよ」
狂戦士
「あっ! 待てテメェrおっほおおおおお!」
※狂戦士は逮捕されました。
おわり
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