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勇者と魔法使いのショートコント 魔法少女



魔法使い

「私、魔法少女になります」



勇者

「諦めろ」



魔法使い

「いきなりどうしてですか!」



勇者

「だって魔法少女ってこう、フワッとしてホワンとしてる感じだと思うんだよ」



魔法使い

「私だってフワフワホワホワしてるじゃないですか!」



勇者

「いやドス黒い闇に覆われてるよ」



魔法使い

「参考までに聞きたいんですけど、魔法少女になる条件って何があると思います?」



勇者

「うーん。悪を倒す使命感に燃えてるとか」




魔法使い

「私だって悪は絶対許しませんよ!」



勇者

「いや悪そのものだろお前は」



魔法使い

「そういう勇者さんは何なんですか! 自分が悪じゃないって言い切れるんですか!」



勇者

「なんで俺に矛先向けたんだよ」



魔法使い

「誰だって一度は笑いながらモンスターを拷問した事があるでしょう!?」



勇者

「あってたまるか!」



魔法使い

「私はたくさんありますよ?」



勇者

鬼畜野郎(おまえ)と一緒にすんな! ……ちなみになんで魔法少女になろうと思ったんだ?」




魔法使い

「魔法少女って健気で気高くて魔法でみんなを幸せにするじゃないですか」



勇者

「……うん」



魔法使い

「それって私にぴったりだと思いませんか?」



勇者

「いや思わない。お前はラスボスの方が向いている」



魔法使い

「ですよね! 私には正義の魔法少女がぴったり! やっぱり勇者さんもそう思ってくれてたんですね!」



勇者

「(ダメだ、自分の世界に入り込んでいる)」



魔法使い

「魔女っ子メイちゃん! 悪は絶対許さない!」

※メイは魔法使いの本名



勇者

「そして勝手に始めやがった……」



魔法使い

「私の名前はメイ! モンスターの脾臓と生き血が大好きなごく普通の女の子だよ!」



勇者

「何が普通だよ悪魔じゃねえか!!」



魔法使い

「趣味は殺したモンスターで肉団子を作る事!」



勇者

「悪魔じゃあ!!」




魔法使い

「いっけなーい! 昨日夜遅くまでモンスターの拷問してたから学校に遅れちゃう!」



勇者

「学校に来ちゃダメな奴だろお前は!」



魔法使い

「でも負けない! 私の大好きな勇者さんにモンスターの肉団子を食べさせるためだもん!」



勇者

「しかも俺に食わせるつもりなのか!?」



魔法使い

「うーん、こう考えてみると魔法少女ってあんまり正義の味方っぽくないですね」



勇者

「お前のやってる事が邪悪すぎるんだよ!」



魔法使い

「ところでこの前勇者さんのクローンを作ったんです」



勇者

「何がところでなんだよ!」



魔法使い

「全部で19283体」



勇者

「マンボウか!!」



魔法使い

「みんな本物に成り代わろうと本気で勇者さんを殺しにくるんで気をつけてくださいね」



勇者

「くっころぉ!」






おわり






お読みいただきありがとうございました!


全然関係ないんですけど国外で書いた話です。

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