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勇者と闇魔道士と女騎士のショートコント 4 新居について


勇者

「この家は広くて中々住み心地が良いな」




闇魔道士

「そうだな。しかし少しだけ気になることがある」




勇者

「気になることって?」




闇魔道士

「夜寝ていると不気味な女の笑い声が聞こえるのだ」




勇者

「おいおい本当かよ?」




闇魔道士

「本当だ。怨念のこもった声で

『ヒヒヒヒヒ! 勇者さんに話しかける女のヒザの皿割れろ』

と聞こえてくるのだ」




勇者

「その陰湿さは絶対に魔法使いだ」




女騎士

「私もだぞ勇者。風呂場で身体を洗っていたら、どこからともなく『くっころ……、くっころ……』と聞こえてきたんだ」




勇者

「自分の腹の音だろ」




女騎士

「そういわれるとシャックリのような気もする」




勇者

「どっちでもええわ」




闇魔道士

「しかしこの家に幽霊のような何かが居るのは確かだと思う」




勇者

「ここに住んでるのは幽霊より厄介な奴ばっかだけどな」




闇魔道士

「こんな事もあったぞ! 階段を上っていたら無性に息切れがするのだ」




勇者

「それただの老化じゃないんですかね」




闇魔道士

「廊下で老化……はっはっはっはっは!」




女騎士

「私もまだまだ不思議な体験をしたことがあるぞ!」




勇者

「何か体験談合戦になってないか」




女騎士

「あれは夜、私がいつものように勇者の部屋へ忍び込んだ時のことだった」




勇者

「なんでいつものように忍び込んでるんだよ!」




女騎士

「当然、勇者の体にクッコロニウム投与するためだ」




勇者

「まだやってたのか!」




女騎士

「お前のくっころ力を維持するためには仕方のない事なんだ!」




勇者

「維持せんでええわ!」




女騎士

「話を戻すぞ。私がクッコロニウムを投与していると後ろから『トイレ……、トイレ……』と少女の誘うような声がするんだ!」




勇者

「ああそれは調合師だと思う」




女騎士

「なんだと!?」




勇者

「いやアイツ一人でトイレに行くのが怖いからって俺を起こしに来るんだよ」




女騎士

破廉恥(はれんち)だぞ!」




勇者

「人の体に謎の液体ぶち込んでる奴に言われたくないわ!」




闇魔道士

「そういう勇者は何か心霊体験をしていないのか?」




勇者

「……ここに来た時から、背後にずっと人の気配を感じるんだ」




闇魔道士

「何? じょ、冗談だろう……?」




勇者

「本当さ。それは俺が何をしていてもずーっと行動を監視してくる。そう、逃れられない呪いのようなもの」




女騎士

「……という事は私たちも呪われている……!?」




勇者

「ほら、お前らの座ってるベッドの下から……」




――ベッドの下から青白い手が生えてきた!





闇魔道士・女騎士

「うわあああああああああああああああ!!」




――二人は部屋から逃げ出した!




勇者

「早く出て来いよ」




魔法使い

「よく私がいるの分かりましたね、さすが私の勇者さん」




勇者

「そして早く出て行ってくれないか?」




魔法使い

「はいはい。あ、そういえばベッドの下、私以外に 

も う一 人 い ま し た よ」




勇者

「!?」





おわり



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