勇者と女騎士とギルドマスターのショートコント
――勇者たちはギルドへ戻っていた!
女騎士
「ここが勇者たちが所属しているギルドか……。なんというか、ひとつの街になっているんだな」
勇者
「そうか、女騎士はここに来るの初めてだったな。最初は慣れないと思うけど」
女騎士
「中々くっころ力の高そうな場所だな!」
勇者
「うんうん、そうだね」
???
「おや、君は勇者くんじゃないか?」
勇者
「ギルドマスターさん! お久しぶりです」
ギルドマスター
「いやぁ、本当に久しぶりだよ。なんだか身長も伸びたんじゃない?」
勇者
「そうですかね」
ギルドマスター
「7mくらい」
勇者
「竹か」
ギルドマスター
「あっはっは、冗談冗談。でもなんで帰って来たの? 魔王が怖くて怖気づいちゃった? それとも怖いモンスターにいじめられたの?」
勇者
「ハハハ! 初っ端からめっちゃ煽ってくるんですけどこの人!」
女騎士
「ギルドマスターとやら、実は勇者は世界に散らばった『くっころ』を探しているんだ」
勇者
「ちょっと黙ってろ、くっころ女。俺たち最初から実力を付けなおそうと思うんです。それで……」
ギルドマスター
「なるほど事情は分かった! 勇者くんはオカマバーで働きたいんだね!」
勇者
「全然違うわ!」
ギルドマスター
「依頼が受けたいんなら酒場まで来てくれ!」
***
――酒場にて!
受付嬢
「依頼をお探しですか?」
勇者
「ああ、頼む」
受付嬢
「どのような依頼をお求めですか?」
勇者
「やっぱりモンスター討伐がいいな!」
受付嬢
「モンスターの強さはいかが致しましょう?」
勇者
「そうだな、ベテラン冒険者がようやく倒せるくらいの強さが良い!」
受付嬢
「分かりました。ではこちらの依頼はいかがでしょう?」
勇者
「おっ! どんなの?」
受付嬢
「酒場のトイレ掃除です」
勇者
「トイレ掃除じゃねーか。モンスターどこ行ったんだよ」
受付嬢
「トイレにこびり付いた汚れ、それはまさにモンスター」
勇者
「やかましいわ」
受付嬢
「ただで私の家に上がれるんだから安いものだと思いますが」
勇者
「さらっと自分の家のトイレまで掃除させようとすんな」
受付嬢
「トイレ掃除が嫌ならスライム一気食い大会とかどうですか?」
勇者
「人の話聞けよ!」
受付嬢
「この依頼、なんと報酬が100万ゴールドもあるんです」
勇者
「え? それはスゴイけどなんで?」
受付嬢
「この前の参加選手が全員スライムをのどに詰まらせてリタイアしたからです」
勇者
「集団自殺か!」
受付嬢
「観客はスライムを飲み込めずに苦しむ選手の姿を見て楽しむっていう」
勇者
「客も選手も全員ラリってんじゃねーか!」
受付嬢
「私も見ましたけど面白かったですよ?」
勇者
「お前も行ったのかよ!?」
おわり
お読みいただきありがとうございました!