勇者と魔法使いと狂戦士のショートコント ギルドに戻ろ?
魔法使い
「勇者さん、私たちそろそろ身を固めませんか?」
勇者
「嫌だよ。それに魔王討伐がまだ済んでない」
魔法使い
「魔王討伐魔王討伐って言ってる割には全然魔王城に着かないじゃないですか!」
勇者
「そりゃ最果ての地だから簡単には着かないだろ」
狂戦士
「ヒャッハー!」
勇者
「なんだまだ居たのか」
狂戦士
「なんだその言い方は! せっかく腐りかけのバナナをやろうと思ったのに!」
勇者
「要らんわ! 何の嫌がらせだ」
狂戦士
「それよりさっきから魔王城が俺様のケツに入り切るかどうかで揉めてたな」
勇者
「けつブラックホールか」
魔法使い
「魔王城について何か知ってるんですか?」
狂戦士
「あー。知ってるも何も俺様は魔王城で魔王に会ったことがあるからな」
勇者
「え、じょ、冗談だろ?」
狂戦士
「俺様の尻にかけて本当じゃあ!」
勇者
「尻にかけんな」
魔法使い
「でもどうやって行ったんですか?」
狂戦士
「定期便が出てるんだよ」
勇者
「定期便!?」
狂戦士
「とあるドラゴン使いが魔王城まで運んでくれるんだ。料金はクソ高ぇけどな」
勇者
「お、俺は信じないぞ! 証拠を出せ! 魔王城へ行ったという証拠を!」
狂戦士
「ほらこれ定期便に乗った時の領収書」
勇者
「ほ、本当だ……」
魔法使い
「それで信じるんですか」
勇者
「魔王に会ったってことは戦ったのか?」
狂戦士
「戦ったぞ。大分ダメージは負わせたんだが、あと一歩のところで逃がしちまった」
※本当は三秒で負けました。
魔法使い
「ちなみに魔王ってどんな人なんですか?」
狂戦士
「血液型はAだった」
勇者
「どうでもええわ」
狂戦士
「あと魔王はピーマンが食べられなかった」
勇者
「幼稚園児か」
狂戦士
「あと魔王の枕から漬物のニオイがするらしい」
勇者
「高齢者か! それ本当に魔王なのか?」
狂戦士
「ったり前だろ! 俺様が嘘をつく男に見えんのかよ!」
勇者
「うん」
魔法使い
「しかし勇者さん、狂戦士の言う事が本当だったらさっさと定期便とやらに乗って魔王城まで行くべきじゃないですか?」
勇者
「うっ、そ、そうだな」
魔法使い
「おや? 歯切れが悪いですね」
狂戦士
「テメェさてはビビってんな?」
勇者
「び、びびびびいビビってねーし!」
魔法使い
「ハァハァ……ビビってる勇者さん美味しそう」
勇者
「ただ……、今の俺じゃあ確実に魔王に勝てない事は分かる」
魔法使い
「魔王ピーマン食べられないのに?」
勇者
「そうだよ! ピーマン食べられない奴に負けるくらい俺は弱いんだよ!」
狂戦士
「情けねぇな」
※↑ピーマン食べられない人に三秒で負けた人
魔法使い
「じゃあ思い切ってギルドに帰るべきじゃないですか?」
勇者
「ギルド? どうして」
魔法使い
「ギルドにいたら自分の身の丈に合った依頼が受けられるじゃないですか。そこで少しづつ力を付けてみたら良いと思うんです」
勇者
「そ、それはそうだけど……。(おかしい。魔法使いがまともな事を言っている)」
魔法使い
「それにもうギルドの教会に結婚式の予約入れちゃいましたしね」
勇者
「何やってんだよ!」
魔法使い
「もう料金払っちゃったんでキャンセル出来ません」
勇者
「くっ!」
狂戦士
「くっころ」
勇者
「それ俺のセリフじゃあ!」
おわり
お読みいただきありがとうございました!