勇者と女幹部のショートコント 2 久しぶり
――女幹部は魔王城を飛び出し、街に出てきていた!
女幹部
「はぁ、魔王様にひどいことを言ってしまった。謝ったら許してもらえるだろうか……」
勇者
「おい、お前は女幹部じゃないか?」
女幹部
「むっ、勇者……お前こんなところに居たのか」
勇者
「俺はどこにでもいる。そう、お前の心の中にも」
女幹部
「どおりで最近胸やけがすると思った」
勇者
「唐揚げか俺は」
女幹部
「お前が魔王城に来ないせいで、私は魔王様とケンカしてしまったんだ!」
勇者
「どっちが俺と結婚するかで揉めてたの?」
女幹部
「そんなわけないだろ!」
勇者
「そうか」
女幹部
「どっちがチンパンジーのモノマネが上手いかでもめてたんだ!」
勇者
「楽しそうだな」
女幹部
「そんなわけないだろ!」
勇者
「……で、実際は何があったんだ」
女幹部
「実は、私が勇者の代わりをやってみたんだ」
勇者
「俺の代わり? 全裸になったのか」
女幹部
「そんなわけないだろ!」
勇者
「それ気に入ってるのか?」
女幹部
「裸になったのはチンパンジーだ!」
勇者
「お前ちょくちょくボケてくるな」
女幹部
「冗談はさておき勇者、なぜ最近魔王城に来なくなったんだ?」
勇者
「色々あるんだよ俺にも」
女幹部
「例えば?」
勇者
「魔王討伐とか」
女幹部
「じゃあ魔王城に来いよ!」
勇者
「来て欲しいのか?」
女幹部
「そんなわけないだろ!」
勇者
「どっちなんだよ」
女幹部
「きっと魔王様は来て欲しいと思っている。でも私個人的にはお前が嫌いだ!」
勇者
「俺が魔王城へ行くたびにブロッコリー植えていくから?」
女幹部
「何をしてるんだお前は……」
勇者
「そして植えたブロッコリーにマヨネーズを垂らしていくからか?」
女幹部
「そんなわけ、いや近いな」
勇者
「近いの!?」
女幹部
「私がお前を嫌いな理由は、要するに」
勇者
「うん」
女幹部
「お前にチンチンが生えているからだ!」
勇者
「……は?」
女幹部
「お前にチンチンが生えているからだ!」
勇者
「復唱すんな!」
女幹部
「私になんて汚い言葉を使わせるんだ!」
勇者
「お前が勝手に言ったんだろうが!」
女幹部
「もういい、放っておいてくれ」
勇者
「ちょっと待てチンチン」
女幹部
「誰がチンチンだ!」
勇者
「確かに魔王はチンチン大好きかもしれない」
女幹部
「そうだな!」
勇者
「だからってお前が俺のチンチンの代わりを出来るわけじゃないだろ」
女幹部
「それは、そうだが……」
――勇者は青い宝石を手渡した!
女幹部
「これはラピスラズリか……?」
勇者
「ああ。俺の脇の下から発掘された」
女幹部
「もはや宝箱だな」
勇者
「事情はよく分からないが、ケンカになったのはお前にも原因があるんだろ?」
女幹部
「そうだな……」
勇者
「だから俺と一緒にホテル行こ?」
女幹部
「断る」
おわり
お読みいただきありがとうございました!