勇者と魔法使いと闇魔道士のショートコント 9 勇者はモテるのか?
闇魔道士
「勇者はモテるんだな」
勇者
「何言ってんだよ。俺がモテた事なんか人生で一度たりとも無いぞ」
闇魔道士
「なるほど、貴様は頭が湧いているのだな」
勇者
「は!? なんだよ急に!」
闇魔道士
「そもそも貴様は魔法使いから求婚されているではないか」
勇者
「あいつはノーカンだ」
魔法使い
「何でですか、殺しますよ」
勇者
「ほら見ろ、結婚したその日に殺されかねん」
魔法使い
「まぁでも勇者さんはモテますよね。夏は蚊に集られてますし」
勇者
「俺O 型だからな」
闇魔道士
「そういう話ではないわ!」
勇者
「いや、でも俺本当にモテないぞ? 今までバレンタインにチョコ貰ったことも無いしクリスマスはお前らと会うまでずっと一人だったし」
闇魔道士
「いいや、そんなはずはない。女騎士だって貴様にばかり構うではないか」
勇者
「あいつは誰にだって『くっころ』って言う女だろ」
魔法使い
「まるで誰にでも股を開くかのような言い方ですね」
闇魔道士
「数が違うのだ数が!」
勇者
「数?」
闇魔道士
「我が社で『過去一か月、女騎士が仲間にくっころを言った回数』を調べた結果だと……」
勇者
「お前法人なのかよ」
闇魔道士
「なんと二位の調合師への『150くっころ』を大きく引き離して、一位の勇者へは『114234くっころ』!」
勇者
「それ多分俺を呪い殺そうとしてるんだよ」
魔法使い
「一日4000回近い計算になるんですが。あとどうやって調べたんですかねぇ」
闇魔道士
「勇者は直ぐそうやってはぐらかす! じゃあ調合師はどうだ!」
勇者
「いや、調合師に『ペロペロしたい』って言ったのを聞かれてからずっと距離を取られてるんだが」
闇魔道士
「だが調合師は薬草を取りに行くとき、いつも勇者に護衛を頼むではないか! 我には一度も頼んだこと無いのに!」
勇者
「ふっ、それは俺が最近強くて頼もしい男になったから」
魔法使い
「何言ってるんですか、水の精霊頼みのくせに」
勇者
「……」
魔法使い
「っていうかあの女、私にも護衛を頼みにきた事がありませんね。……怪しい! 怪しいですねぇ!」
勇者
「きっとお前と二人になったら殺されると思ってるんだよ」
闇魔道士
「そうだ、貴様は水の精霊からだって慕われてるじゃないか!」
勇者
「あいつは、ほら……。まだ子供だし」
水の精霊
「ところがわっしょい! 妾の年齢は3000歳を超えておるのじゃ!」
魔法使い
「あっおばあちゃん、こんにちは」
水の精霊
「誰がおばあちゃんじゃ!」
闇魔道士
「やはり不公平だ……。あーあ、もうご飯作るの辞めちゃおっかなぁ」
勇者
「子供か!」
魔法使い
「闇魔道士が料理当番サボったら勇者さんの頭をズルムケに剃り上げますけど良いんですか?」
勇者
「俺!? なんで!?」
闇魔道士
「好きにしろ!」
勇者
「だよね!☆」
――こうして闇魔道士は引きこもった!
おわり
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