表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
133/212

勇者と調合師と水の精霊のショートコント 山奥にて

――勇者と調合師は薬草を取りに山奥へ入っていた!




勇者

「はぁはぁ、これだけ山道を歩くと流石に疲れるな……」




調合師

「勇者は情けないわね。私なんか息一つ切れてないわ……」




勇者

「俺がずっとオンブしてやってるからだろうが」




調合師

「え、何? 聞こえない」




勇者

「降ろすぞテメェ」




調合師

「でも女の子をオンブ出来るんだから勇者にとってはご褒美(ほうび)でしょ……?」




勇者

「それはもっと胸の大きい女の子が言うセリフだぞ」




調合師

「コロス……」




***




調合師

「私が探している薬草はこの一本橋を渡ったところに生えているわ……」




勇者

「ちなみになんて薬草なんだ?」




調合師

「『ミチ草』」




勇者

「ねえ、なんかその辺に生えてそうな名前なんだけど!」




調合師

「でもミチ草が欲しくて※10ゴールド払う人もいるくらいなの……」

※10円くらい




勇者

二束三文(にそくさんもん)じゃねぇか!」




調合師

「冗談よ。アレを使えば勇者の防御ステータスもきっと上昇するわ……」




勇者

「そうなのか? ならちょっとやる気が出て来たぞ。ただ……」




――目の前の一本橋は今にも崩れ落ちそうなほどボロボロだった!




勇者

「これ、一歩踏み入れただけで崖下(がけした)にさよならするパターンだと思うんだが……」




調合師

「ちゃんと(とむら)ってあげるわよ」




勇者

「死ぬ前提やめろ」




調合師

「アレを取ってきたら何でも勇者の言う事を聞いてあげるわ……」




勇者

「うーん、命には代えられないからなあ」




調合師

「あそこまで飛んでいければいいんだけどね」




勇者

「飛ぶ? そうだ、『水の精霊』!」




水の精霊

「呼んだかの? はっ! こんな人気のない所で(わらわ)に何をする気なんじゃ!?」




勇者

「よく見ろ、調合師がいるぞ」




水の精霊

「ちっ!」




調合師

「この女からは魔法使いと同じ匂いがする……」




勇者

「あの橋の向こうに生えてる草を取ってきて欲しいんだ。ほら、お前ってフワフワしてるから、橋を使わなくても大丈夫だろ?」




水の精霊

「えー」




勇者

「なあ頼むよ」





調合師

「勇者は水の精霊に対してもヒモなのね……」




勇者

「いや召喚術ってそういうものだろ」




調合師

「ヒモが二本に……」




勇者

「ヒモって言うな!」




調合師

「これからは『しめ縄』って呼ぶわ……」




勇者

「誰がしめ縄だ!」




調合師

「しめ縄の! ちょっといいとこ見てみたい……!」




勇者

「一気飲みのコールみたいに言うな! 分かったよ。そこまで言うなら俺が取ってきてやるぁあああああああ」




――勇者は橋ごと崖下へ落ちて行った!





水の精霊

「お約束じゃな」




調合師

「勇者! あれほどやめろと言ったのに……!」




水の精霊

「腹の底から(あお)っとったじゃろうが」




調合師

「どうしよう……!」




水の精霊

「落ち着け。これから(わらわ)が勇者を助けに行く」




調合師

「私はどうすれば……!」




水の精霊

「急いで仲間に知らせた方が良いのではないか?」




調合師

「そうね、お弁当をたべてお昼寝したあと急いで皆に知らせに行くわ……!」




水の精霊

「急げよ」




おわり


お読みいただきありがとうございました!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=onツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ