勇者と闇魔道士と女騎士のショートコント ヴァレンタイン間近
勇者
「もうすぐヴァレンタインだな」
闇魔道士
「どうした、我のチョコが欲しいのか?」
勇者
「違うわい」
女騎士
「なるほど私のくっころチョコが欲しいんだな」
勇者
「腹壊しそうだから要らない」
闇魔道士
「ふん、強がっているが貴様、今までお母さん以外からチョコを貰ったことが無いクチだろう?」
勇者
「それはお前も同じだろ」
闇魔道士
「残念だったな! 我は母親からも貰ったことないわ!」
勇者
「涙出てるぞ」
闇魔道士
「ふん、いい気になるなよ勇者! 今年はどちらがチョコレートを貰えるか勝負だ!」
勇者
「何その0と1の世界線」
女騎士
「いや、しかし勇者は魔法使いから貰えるんじゃないか?」
勇者
「見返りに片腕くらい持ってかれそうだけどな」
女騎士
「まるで生贄の儀式だな」
闇魔道士
「くっ、勇者には魔法使いがいたか……! だが我にも勝機はあるぞ!」
勇者
「ほう」
闇魔道士
「女騎士と調合師がくれるかもしれない!」
女騎士
「えー」
闇魔道士
「だてばぁあああ!」
勇者
「叫んだ?!」
――闇魔道士は泣きながら勇者にしがみついた!
勇者
「なんでこっち来たんだよ!?」
闇魔道士
「どうしてだ! どうして我はチョコを貰えないのだ!」
勇者
「いやまだ貰えないと決まったわけじゃ……」
女騎士
「そうだ、諦めるには早いぞ闇魔道士。私はチョコあげないけど」
闇魔道士
「うばー!」
勇者
「3歳児か」
闇魔道士
「しかし我には秘策がある」
勇者
「切り替え早っ!」
闇魔道士
「おい女騎士! ヴァレンタインンンにチョコをくれたらホワイトデーには我の特性ミルクチョコを作ってやろう」
女騎士
「くっころ!?」
勇者
「あっ、お前卑怯だぞ!」
闇魔道士
「なんとでも言うがいい! 勝負は決したな!」
勇者
「くっ! おい女騎士!」
女騎士
「ん?」
勇者
「俺にチョコをくれたら好きなだけ※くっころゲームに付き合ってやるぞ!」
※どんな手段を使ってもいいので相手に「くっころ」と言わせたら勝ちのデスゲーム
女騎士
「くっころ!」
闇魔道士
「邪魔するな勇者!」
勇者
「邪魔してんのはお前だろ!」
女騎士
「くっころ……」
闇魔道士
「おい女騎士! くっころゲームなら我も付き合ってやるぞ!」
女騎士
「くっころ!」
勇者
「無理すんなおっさん!」
闇魔道士
「無理などしとらんわ! これで我の勝ち確だな!」
勇者
「いやまだだ! おい女騎士、俺はお前の家に行った時、お父さんから『もうすぐ孫の顔が見れそうだ』と言われたんだ!」
女騎士
「くっころ!?」
勇者
「まあ冗談だとは思うけどな」
魔法使い
「へぇー、そんなことがあったんですか」
勇者
「そうそう、って!!!!!???」
魔法使い
「ねぇ、それもう少し詳しく聞かせてくださいよ勇者さん……!」
勇者
「くっころぉ!」
おわり
お読みいただきありがとうございました!