聖女と狂戦士のショートコント 2 門番
――狂戦士は魔王城の見張りをさせられていた!
狂戦士「あー、だりぃ」
聖女「ごめんくださーい」
狂戦士「げっ! テメェはいつかの墓女!」
※第77部分 聖女と狂戦士のショートコント参照
聖女「あっ、貴方はあの時の死体さん!」
狂戦士「誰が死体じゃぁ!」
聖女「これも神の思し召し。私のために死体を用意してくださったのですね」
狂戦士「だから俺は死体じゃねぇよ! ……それで、魔王城に何の用だ」
聖女「そうでした! 魔王さんを殺、いや魔王さんに会わせてください!」
狂戦士「今殺すって言いかけなかったか? 」
聖女「3%の確率で気のせいですよ!」
狂戦士「ほぼ確実に言いかけてたんじゃねぇか! 残念だがテメェは怪し過ぎるから入れられねぇ」
聖女「土から出てきた人に怪しいって言われるとは思いませんでした」
狂戦士「るせえ! さぁさっさと帰れ!」
聖女「……あなた、もしかして魔王さんに雇われてます?」
狂戦士「まぁそんな感じだ」
聖女「ふふふっ! 私から死体を二つも取るなんて、魔王さんも人が悪いですね」
狂戦士「いや人を死体扱いしてるテメェがどうだよ」
聖女「じゃあしょうがありません。これをどうぞ……」
――聖女は狂戦士に何かを手渡した!
狂戦士「これは何だ」
聖女「ワカメです」
狂戦士「いらねぇよ! なに握らせてくれてんだテメェ!」
聖女「しかも増えるワカメです!」
狂戦士「あっ、手汗でモッサリして来たよ、ってアホかぁ!」
聖女「じゃあ牛肉500gでどうですか!」
狂戦士「くっ、それは普通に欲しい!」
聖女「なんと500年前の」
狂戦士「完全にミイラ化してんじゃねぇか!」
聖女「じゃあ牛一頭で!」
狂戦士「量の問題じゃねぇんだよ!」
聖女「じゃあ謎の肉50kg」
狂戦士「いらねぇよ! 完全にアレな奴じゃねぇか!」
聖女「ううっ、うっ……」
――聖女は泣き始めた。
狂戦士「泣きてぇのはコッチだよ……」
聖女「どうして分かってくれないんですか、私はただ世界をお墓で埋め尽くしたいだけなのに」
狂戦士「ブッチギリで危ねぇぞコイツ!!?」
聖女「そう言えばあそこにピラミッドがあるじゃないですか」
狂戦士「え? どこ?」
聖女「どこにもありませんよ」
狂戦士「ええ怖っ!! 何なんだテメェ!?」
聖女「でも建設予定なんです。もしそこを退いてくれるんならピラミッドに埋葬してあげても構いませんよ」
狂戦士「お前さっきから俺を墓にブチ込むことしか考えてねぇじゃねぇか!!」
聖女「ダメですか……」
狂戦士「ダメに決まってんだろ! ここを通りたきゃ俺様を倒してからにするんだなぁ!(あっオレ今凄くカッコいい事言ってる!)」
聖女「これでどうですか?」
――聖女はスカートをたくし上げてみせた!
狂戦士「へっ! そんな誘惑に俺様が負けるとでも思ってんのか! さぁ通りな!」
おわり
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