勇者と魔法使いと女騎士のショートコント くっころ神について
勇者「おい女騎士、ちょっといいか?」
女騎士「どうしたんだ勇者」
魔法使い「どうしたんですか勇者さん」
勇者「お前は呼んでねぇよ」
魔法使い「まぁそう固いこと言うなや勇者の旦那!」
勇者「なに新しいキャラ模索してんだよ」
女騎士「それで私に何の用だ?」
勇者「ダンジョンの中でお前が酔っぱらったときの話なんだが」
※第107部分ダンジョン編 14 勇者と女騎士の6階層 参照
魔法使い「女騎士を酔わせて何をしたんですか勇者さん!!」
勇者「待て待て、そもそも俺が酔わせたわけじゃないんだ」
女騎士「すまないが酔うと記憶が曖昧になってしまうんだ。その時の事は少ししか覚えていない」
勇者「そうか」
女騎士「だが、勇者が必死にモヤシ栽培をしていたことは覚えている」
勇者「完全に記憶飛んでるじゃねぇか!」
女騎士「そのあと日照権の事で揉めて隣のお爺さんと殴り合いのケンカを始めたことも」
勇者「ラリッてんのか!」
女騎士「あと、『くっころ神』というものに語り掛けられた記憶が……」
勇者「そうそれ! 俺は『くっころ神』に会ったんだ!」
魔法使い「勇者さんも完全にラリってる気がするんですが」
勇者「本当だってば! 『くっころ神』は俺と女騎士が対の存在だと言っていた」
魔法使い「なるほどね……」
勇者「知ってるのか魔法使い!」
魔法使い「なるほど分かりましたよ! 勇者さんが訳の分からない事を言って女騎士との不倫を正当化しようとしてる事がねぇ!」
勇者「いや違うんだ! 本当に『くっころ神』が!」
魔法使い「じゃあ私だってポッコロ神ですよ!」
勇者「パチモンじゃねぇか!」
魔法使い「図が高いぞ人間ども! 跪いてポッコロの栽培に励め!」
勇者「ポッコロ作物だったのかよ!」
女騎士「うーん、そうだ、思い出した!」
勇者「本当か!」
女騎士「私は勇者に『チューしてくれ』と頼んだんだった!」
勇者「なに一番掘り起こしちゃいけない記憶を掘り起こしてんだよ!」
魔法使い「へぇ……」
勇者「ひぃいい! いや別にキスしてないし、いかがわしい事は何もしてないから!」
女騎士「そのあと急に意識が朦朧としてきて、気が付いたら勇者の腕に抱かれていたんだ」
勇者「合ってる! 合ってるけどそこだけハイライトしたら俺の命が危険に!」
魔法使い「なるほど。女騎士を酔わせた後『くっころ』したわけですか殺します」
勇者「違うんだ! 誤解なんだ魔法使い!」
女騎士「そういえば私の実家の敷地に『くっころ神』を祀った祠があるぞ」
勇者「それを一番先に言えや!」
魔法使い「勇者さんも今日限りで祠に祀られることになりますけどね」
勇者「助けてええええ!」
おわり
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