勇者と魔法使いと闇魔道士のショートコント 8 クリスマスの準備
勇者
「もうすぐクリスマスだな」
魔法使い
「私がプレゼントですよ勇者さんんんんんん!」
勇者
「テンションたっかいな」
魔法使い
「昨年のクリスマスは家に侵入してくるサンタを通報するくらいしか
やる事がなかったですからね」
勇者
「乾き切ってる上に陰湿だな」
闇魔道士
「おい魔法使い、我にはプレゼントをくれないのか?」
魔法使い
「嫌ですよ。私より闇魔道士の方が年上じゃないですか」
闇魔道士
「いいではないか! いつも勇者だけ贔屓してずるいぞ!」
勇者
「みっともないぞ、オッサン」
闇魔道士
「誰がオッサンだ『アラサー』と言え!」
魔法使い
「そうだ、今年はアラサーがサンタクロースをやってみたらどうですか?」
闇魔道士
「誰がアラサーだ『お兄さん』と呼べ!」
勇者
「めんどくせぇなお前」
闇魔道士
「しかし何故我にサンタをやってみろと?」
魔法使い
「そんなのオッサンだからですよ」
闇魔道士
「オッサンと言うなと言っているだろう!」
勇者
「じゃあ加齢臭」
闇魔道士
「イジメか貴様ら!」
魔法使い
「でも闇魔道士がサンタをやった方が良いと思うんですよね。私がやったら『毒が入ってる』とか疑われそうだし」
闇魔道士
「確かに」
勇者
「確かに」
魔法使い
「それに勇者さんがサンタクロースをやったら、女どもの好感度が上がりそうで腹立たしいですしねぇ!」
勇者
「相変わらず歪んでるな」
闇魔道士
「はっ! という事は我がサンタをすればパーティー内の好感度を独り占めできるというわけか!」
魔法使い
「そういう事ですよ」
闇魔道士
「ククク……。それなら仕方ない。我が貴様らに極上の闇を味あわせてやろうぞ!」
勇者
「もらっても困るわ」
魔法使い
「そうと決まれば準備ですね」
勇者
「準備っていうと?」
魔法使い
「トナカイとか、白髪、白髭とか、とにかくサンタに見える恰好をしてもらうんですよ」
勇者
「結構本格的なんだな」
魔法使い
「まぁ死ぬ寸前まで拷問してたら自然と白髪白髭になるから、そこは問題ないとして」
闇魔道士
「さらっと恐ろしいことを言うな!」
勇者
「そんでトナカイは?」
闇魔道士
「貴様もこんな時だけ話を流すな!」
魔法使い
「馬をレンタルしてきてトナカイの代わりにしてみます?」
勇者
「それだと結構金がかかるぞ」
魔法使い
「それじゃあ闇魔道士の下半身に動物の毛を張り付けて上半身はサンタの恰好をさせるって言うのは?」
闇魔道士
「合成生物か?!」
勇者
「いいね!」
闇魔道士
「よくないわ!」
魔法使い
「という事でズボン脱ぎましょうねー」
闇魔道士
「くっころぉ!」
おわり
お読みいただきありがとうございました!