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ダンジョン編 18 ドラゴン戦2

前回までのあらすじ


勇者はオッサンとのポッキーゲームで貞操の危機にさらされていた!





オッサン

「さあ(ちか)いのキスを!」




勇者

趣旨(しゅし)変わってんじゃねぇか!」




――しかしオッサンは更に近づいてくる!




勇者

「ぬあああああ!」




――勇者はあらん限りの力を振り絞り、拘束(こうそく)を解いてオッサンを引っ叩いた!




オッサン

「痛ぁん!」




勇者

「てめぇ、調子乗んなよクソッタレ」




調合師

「勇者がキレた……!」




闇魔道士

「やったな勇者。これで願いが叶う。ダンジョンを進んできた苦労が報われるというものだ」




女騎士

「ああ、みんなで力を合わせたおかげだな」




勇者

「何さらっと自分の手柄に含めようとしようとしてんだ! だいたいお前らが俺を押さえつけてたせいでなぁ!」




オッサン

「くくく……」




勇者

「……なんだ?」




オッサン

「見事です! 見事ですよ人間ども!」




闇魔道士

「はっ! おい勇者気を付けろ!」




勇者

「ああ分かってる、急に禍々(まがまが)しい気配が」




闇魔道士

「いや、我に尿意が込み上げてきたのだ」




勇者

「てめぇで自己完結しろや!」




――その時、オッサンの背中から黒い(うろこ)皮膚(ひふ)が現れ、みるみるうちに巨大化していった!勇者たちの身長をはるかに上回るまでに巨大化したそれはまさにドラゴンの姿をしていた。




勇者

「くそっ! オッサンの姿は第一形態だったのか!」




闇魔道士

「ふん、図体ばかりデカくなっても怖くないわ!」




勇者

「お前、足めっちゃ(ふる)えてるけど大丈夫か?」




闇魔道士

「違う、コレはトイレに行きたいだけだ!」




勇者

「早く行ってこいよ!」




ドラゴン

「さあ掛かって来なさい! そして私を楽しませるのです!」




女騎士

「よし勇者、あとは任せたぞ!」




調合師

「私の役目はここまで……」




勇者

「お前ら最終層に来てから、俺を押さえつけてただけじゃねぇか!」




狂戦士

「おい」




――勇者の横に狂戦士がゆっくりと進み出て来た。




勇者

「狂戦士……?」




狂戦士

「俺様の剣の名は『象ころり』またの名を『()(りゅう)』」




勇者

「屠龍……?」




狂戦士

「その大剣、『龍を(ほふ)る如し』ってな。……このデカ(ドラゴン)は、俺の獲物だ。手ぇ出すな」




――狂戦士は更にドラゴンの方へ進んでいく




勇者

「あっ、おい待て狂戦士!」




闇魔道士

「勇者よ、心配するな」




勇者

「どういうことだ?」




闇魔道士

「奴は六階層で巨大なオークを吹き飛ばしてみせた。あれは屈強な戦士でさえ出来る芸当ではない」




勇者

「えっ、そんな事があったの?」




闇魔道士

「ああ。オークの吹っ飛び方を見た時、貴様がなぜ狂戦士を仲間に加えようとしたのか、やっとわかった」




勇者

「(ノリで助っ人頼んだとか絶対言えない)」




狂戦士

「おっしゃあああ! おいドラゴン、俺様と勝負しろぉおお!」




――狂戦士は大剣を両手で構え、戦闘(せんとう)態勢(たいせい)に入った!




ドラゴン

「ほう、威勢(いせい)が良いですねぇ。君の名前は?」




狂戦士

「キョウシロウってんだ」




ドラゴン

「趣味は?」




狂戦士

「酒を飲むこと」




ドラゴン

「好きな食べ物は?」




狂戦士

「バナ、何なんだこの質問タイムは!」




ドラゴン

「ほうほう、よく分かったよ」




狂戦士

「何がだ」




ドラゴン

「付き合ってください」




狂戦士

「……は!?」




ドラゴン

「私は君がこの洞窟(どうくつ)に入って来た時からずっと目をつけていました」




狂戦士

「それはどういう意味で……?」




ドラゴン

「異性として」




狂戦士

「種族から違ってるじゃねぇか!」




ドラゴン

「君が私と付き合ってくれるのなら、一つだけ願いを叶えましょう」




勇者

「よし」




狂戦士

「よしじゃねぇ!」




勇者

「え? だってお前ドラゴンとお付き合いしたいって言ってたじゃん」




狂戦士

「ち、違う! アレはキャラ作りのために……」




ドラゴン

契約(けいやく)成立(せいりつ)ですね。では願いを言いなさい」




狂戦士

「ちょっと待ってぇ!!」




闇魔道士

「おい勇者、どうするのだ?」




勇者

「俺たちの願いは……」




***




――勇者たちは地上まで戻って来ていた!




勇者

「ダンジョン、長いようで短かったな」




闇魔道士

「ああ。あんなに早く出たいと思っていたのに、今になって少し名残惜(なごりお)しい気もする」




調合師

「それにしても狂戦士、少し可哀想(かわいそう)




女騎士

「ああ。アイツは立派なくっころだった」




勇者

()しい奴を亡くしたなぁ」




狂戦士

「オラァ!」




勇者

「あ、おかえり」




狂戦士

「軽いな! 死ぬほど軽いなテメェら! さっきまで俺を死んだことにしておきながら死ぬほど軽いなオイオイオイ!」




調合師

「テンション高……」




勇者

「ドラゴンは大丈夫なのか?」




狂戦士

「大丈夫なワケあるかぁ! もう少しでドラゴンにチンチン持ってかれるトコだったわ!」




勇者

「ドラゴンチンコが何だって?」




狂戦士

(つな)げんな!!」




闇魔道士

「まぁ落ち着け狂戦士。おい勇者、これからどうするんだ?」




勇者

「そりゃお前、あいつの所に帰るに決まってんだろ」




闇魔道士

「ふっ、そうだったな」




女騎士

「なんだかんだ、会えないのは(さび)しかったぞ!」




調合師

「私は別に寂しくなんかなかったし……」




勇者

「よし、じゃあ帰るか!」




一同

「「「ワイモスンペの所に!」」」




狂戦士

「え?」




おわり




狂戦士

「……、俺がおかしいのか……?」


お読みいただきありがとうございました!

ダンジョン編はあと一話で完結する予定です。

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