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勇者と聖女のショートコント 3

※勇者Aのお話です。

勇者

「さて今日も魔王城に行こうかな」



聖女

「勇者さん! やっと見つけた」



勇者

「ん? お前はいつかの聖女か」

*第20部分 勇者と聖女のショートコント参照



聖女

「どうして私がここに居るのが分かったんですか!?」



勇者

「それ俺のセリフだよ」



聖女

「勇者さん、これからお出かけですか?」



勇者

「ああ。魔王城に行くんだ」



聖女

「……、その前に少し私とお(はなし)しません?」



勇者

「(なんか嫌な予感がするけど)少しだけなら」



聖女

「え? 私の趣味(しゅみ)ですか?」



勇者

「聞いてねぇよ」



聖女

「私、犬の散歩が趣味なんです」



勇者

「ああ犬飼ってるんだ」



聖女

「いえ飼ってないです」



勇者

「飼ってねぇのかよ!」



聖女

「名前はロンロンです」



勇者

「何の!?」



聖女

「あはは、犬の散歩が趣味なんて嘘ですよぉ」



勇者

「じゃあさっきのくだりなんだっんだよ! こんなどうでもいい会話で(うそ)に嘘重ねて何が楽しいんだよ!」



――しかし聖女はじっと勇者の目を見つめて何も言わない。



勇者

「……何?」



聖女

「私、肉を切るのが好きなんです」



勇者

「なんで今それ言った!? 俺の顔をガン見しながらなんでそれ言ったの!?」



聖女

「あはは、勇者さん勘違(かんちが)いしないでください。私が切りたい肉って言うのは牛とか(にわとり)ですよ」



勇者

「本当なのか……? まあそれでも少しおかしい気がするが」



聖女

「そして肉を切るのが好きすぎて、最近バイトを始めたんです」



勇者

「肉屋で?」



聖女

「いえ診療所(しんりょうじょ)で」



勇者

「人肉切る気満々じゃねぇか!」



聖女

「はい」



勇者

「はいじゃないわ!」



聖女

「ところで勇者さんて筋肉質ですね」



勇者

「ん、まぁモテるために(きた)えてるからな」



聖女

「とっても美味しそう!」



勇者

「やめろお前が言うと別の意味で聞こえる! そのまんまの意味で聞こえるぅ!」



聖女

「はい」



勇者

「だからはいじゃないわ! お前、この前あった時はここまでおかしく無かっただろ!」



聖女

「あはは、あれは勇者さんに気に入ってもらうために猫を(かぶ)ってたんです」



勇者

「猫かぶった状態であんなにイカれてたのかよ!?」



聖女

「そう、勇者さんに助けられてからずっと勇者さんのことが好きでした」



勇者

「こんな嬉しくない告白初めてだわ」



聖女

「それはそうと私、勇者さんのためにお墓を用意したんです」



勇者

「死神か!」



聖女

「大丈夫です、私も一緒に入るから安心してください!」



勇者

「そういう問題じゃねぇんだよ!」



聖女

「あ、いえそんなに急ぐ話じゃないんで落ち着いてください!」



勇者

「なんだ生きてる間にお墓建てとくっていう話だったのか?」



聖女

「今日はゆっくり休んで、明日一緒にお墓入りましょう」



勇者

急逝(きゅうせい)じゃねぇか!!」



おわり


お読みいただきありがとうございました!

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