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ダンジョン編 17 ドラゴン戦1

――勇者たちはダンジョンの最深部、第八回層に到達していた!



勇者

「いよいよか……」



闇魔道士

「ふん、ドラゴンなんぞ闇魔法でみじん切りにしてくれるわ」




女騎士

「私だって『くっころ力』で吹き飛ばしてやるぞ!」




勇者

「うんうん分かった分かった。分かったからお前ら、俺の背中に隠れるのやめてくれないかな」




闇魔道士

「違う! これは隠れてるんじゃない、勇者の背中があったかくて男らしいから」




勇者

「余計に気持ち悪いわ」




――その時地面が揺れ、奥の方から禍々(まがまが)しい気配が近づいてきた。




勇者

「! 誰だ!」




狂戦士

「ヒヒヒッ、ドラゴンさんのお出ましかぁ?!」




調合師

「ドラゴン怖いドラゴン怖いドラゴン怖い」




狂戦士

「そんなに怖いんなら俺様の後ろに隠れても」





調合師

「イヤイヤイヤイヤイヤ」




狂戦士

「ソイヤッ!」




勇者

「祭りか」




闇魔道士

「おい勇者! 来たぞ」




勇者

「よぅし、覚悟しろドラゴ……、ん?」




――闇魔道士の指差す方にはオッサンが立っていた。




オッサン

「くっくっく、よくぞここまでたどり着きましたね」




勇者

「誰だよ」




狂戦士

「……、待てよ。アイツどっかで見たことがあるような……」




勇者

「あ、思い出した! 二回層の自称妖精じゃん!」


*第90部分 ダンジョン編 6 勇者と狂戦士の二階層参照




オッサン

「クックック、あの時はよくもやってくれましたね」




勇者

「いや何もやってねぇよ」




狂戦士

「おいドラゴンはどこだオッサン」




オッサン

「私がドラゴンです」




勇者

「は?」




オッサン

「さあ! 私を倒してごらんなさい、そうすれば願いを叶えてあげましょう!」




勇者

「よく分からんがあのオッサンを倒せば願いが叶うらしいぞ」




闇魔道士

「ふん、貴様ごときのドラゴンが、我に盾突(たてつ)くなど片腹痛いわ!」




女騎士

「倒せと言うなら『くっころ』するまでだ!」




勇者

「ドラゴンが居ないと分かったとたん元気になったな、お前ら」




オッサン

「ほうぅら、早くしないとズボン脱いじゃうよぉ?」




女騎士

「うわぁ」




調合師

「このダンジョンの集大成のような汚物だわ……」




オッサン

「そこの少年!」




勇者

「ん、俺か?」




オッサン

「君が私と勝負しなさい」




勇者

「いいぞ」




オッサン

「ポッキーゲームで!」




勇者

「いやだよ!」




狂戦士

「よし野郎ども、勇者をおさえろ」




一同

「「「了解」」」




勇者

「どうしてこんな時だけ結束(けっそく)するんだお前ら!」




――しかし無情にも勇者は押さえられ、オッサンはポッキーをくわえた。




オッサン

「さあ反対側をくわえるのです!」




勇者

「嫌だよ! そもそもポッキーゲームって勝ち負けがあるものじゃないだろ!」




闇魔道士

「そうだ。ポッキーゲームに参加しただけで貴様は勝ち組だ!」




勇者

「黙れ!」




狂戦士

「まあ頑張れ勇者。ここを耐えれば願いが叶うんだぜ?」




勇者

「どんな願いも叶わなくていいから助けてぇえええ!」




オッサン

「んー……!」




勇者

「ひいいいいいい!」




つづく


お読みいただきありがとうございました!


ダンジョン編はもうすぐ完結です。

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