表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
110/212

勇者と魔法使いと闇魔道士のショートコント 7

※ダンジョン編の前のお話です。


――勇者は腕立て()せをしていた!



勇者

「ふんっ! ふんっ!」



闇魔道士

「そろそろか?」



勇者

「何が?」



闇魔道士

「卵が出てくるのが」



勇者

「産卵中じゃねぇよ! どう見ても腕立て伏せだろ!」



闇魔道士

「ほう、なぜ腕立てなど?」



勇者

「もっと強くなるために身体を(きた)えてるんだ」



闇魔道士

「良い心がけだな」



勇者

「闇魔道士も一緒に身体を鍛えないか?」



闇魔道士

「ふん、()が闇魔法さえあれば筋力など要らぬ」



魔法使い

「でもこの前、階段の上り下りで息切れしてませんでした?」



闇魔道士

「あ、あれはちょうど闇力が枯渇(こかつ)していたのだ!」



勇者

「それにお前、最近腰が痛いっていつも言ってるよな」



闇魔道士

「あ、あれは少し重いものを上げ下げしたから!」



勇者

「試しに俺と(うで)相撲(ずもう)やってみようぜ」



闇魔道士

「後悔するなよ!」



魔法使い

「私がレフリーやりますねー。よーい、スタート!」



勇者

「ふん!」



闇魔道士

「あん!」



勇者

(あえ)ぐな」



魔法使い

「はい、勇者さんの勝ちですね」



闇魔道士

(われ)が、我が負けただと……」



勇者

「これを機に筋トレでも始めたらどうだ」



闇魔道士

「ふふ、ふふふふふ!」



勇者

「なんだよ」



闇魔道士

「見ていろ勇者! 我に恥をかかせたことを後悔させてやる!」



勇者

「腕相撲で負けたくらいで怒りすぎだろ」



魔法使い

「あれは根に持つタイプですね」



――その日から10日間、闇魔道士は姿を見せなかった!



勇者

「闇魔道士の奴、どこ行ったんだろうな」



魔法使い

「きっと勇者さんを呪い殺すために(うし)(こく)(まい)りに明け暮れてるんですよ」



勇者

「怖いこと言うなよ」



闇魔道士

「待たせたな勇者」



勇者

「やっと帰って来たか闇魔道s……」



――闇魔道士の身体はボディービルダーのように(みが)き上げられていた!



勇者

「……何があったんだ」



闇魔道士

「ククク……、筋肉を得るために悪魔と契約(けいやく)をしたのだ」



勇者

「ええ……」



闇魔道士

「代償として寿命が半分になってしまったがな!」



勇者

「アホか!」



闇魔道士

「ぐふっ、もう我の寿命は長くないみたいだ」



勇者

「さっさと筋肉クーリングオフして来いよ!」



魔法使い

「斬新な表現ですね」



闇魔道士

「さあ勝負だ勇者!」



勇者

「やってる場合じゃねえだろ!」



闇魔道士

輪投(わな)げで!」



勇者

「せめて筋肉使う勝負にしろよ!」



魔法使い

「輪投げじゃつまんないんで、ロシアンルーレットにしましょうよ!」



勇者

「筋肉関係ない上に死人が出るわ!」



闇魔道士

「おっと、そろそろ夕食の時間だ」



勇者

「あっ、コラ逃げんな!」



魔法使い

「しょうがないから私と二人でやりましょうねー」



勇者

「助けてぇ!」



おわり


お読みいただきありがとうございました!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=onツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ