ダンジョン編 16 七階層で合流
――勇者たちは七階層で合流していた!
調合師
「勇者の顔がちょっとだけ精悍になってる……」
勇者
「だろ? まぁこのダンジョンに入ってからゴーレムとか色んな……」
調合師
「刑務所生活が効いたのね」
勇者
「誰が児ポ法やねん」
闇魔道士
「我も料理のレパートリーが増えたぞ」
調合師
「闇魔法は……?」
女騎士
「私もだ! 私も『くっころ力』が数段高まったのを感じるぞ!」
勇者
「酔っぱらってただけじゃねぇか」
狂戦士
「おいおいおいおい!」
勇者
「どうした狂戦士」
狂戦士
「ドラゴンってのはどこにいるんだよ! 俺ぁドラゴンに会いたくてウズウズしてんだぜ!?」
勇者
「そんなに戦いたいのか?」
狂戦士
「いやドラゴンがメスかなって」
勇者
「思春期か」
女騎士
「しかし最下層にいるドラゴンというのは結局どんな『くっころ』なんだ?」
勇者
「まず『くっころ』じゃないからな」
闇魔道士
「五階層で小耳に挟んだんだが、ここのドラゴンは炎を吐くらしい」
勇者
「ということはファイアードラゴンだな」
闇魔道士
「吐くのはそれだけじゃない」
勇者
「何?」
闇魔道士
「息とか」
勇者
「呼吸じゃねぇか」
闇魔道士
「他にも粉」
勇者
「乾燥肌なのか」
調合師
「炎怖い……」
闇魔道士
「怖がらせるつもりはないが、ドラゴンの炎はなかなかの威力らしい」
勇者
「そりゃラスボスだもんな」
闇魔道士
「木を一瞬で着火させるほどの火力だそうだ!」
調合師
「ささやかね」
勇者
「キャンプファイヤーにいたら便利そう」
女騎士
「じゃあキャンプファイヤードラゴンだな!」
闇魔道士
「フヘーっへっへっへ!」
勇者
「何にツボったんだよ」
狂戦士
「おい勇者、水の精霊を貸してくれ」
勇者
「どうしてだ?」
狂戦士
「身を清めるためだよ!」
勇者
「清める? どうして」
狂戦士
「だってドラゴンに気にいられたら」
勇者
「何気持ち悪いこと考えてんだお前は!」
女騎士
「みんな、少し聞いてくれ!」
勇者
「どうした女騎士」
女騎士
「色々あったが私たちは最下層まであと一歩まで来た」
闇魔道士
「そうだな、こんなヘッポコばかりのパーティーでよくやってきたものだ」
女騎士
「そこで結束を高めるために掛け声を出さないか?」
勇者
「良いんじゃないか? で、どんな?」
女騎士
「クッコロー、ファイッ!」
勇者
「嫌だよ!」
女騎士
「なんでだ!」
勇者
「脳みそ浸蝕されそうだからだよ!」
女騎士
「じゃあクッコロボンバーは?」
勇者
「クッコロが嫌なんだよ俺は!」
闇魔道士
「まあ良いではないか勇者。我は女騎士に賛成っころ」
勇者
「侵されてんじゃねぇか!」
女騎士
「よし、ではいくぞ。クッコロ―」
一同
「「「「「ファイッ!」」」」」
――こうして勇者たちの最終決戦が始まるのであった。
つづく
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