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ダンジョン編 15 闇魔道士と調合師と狂戦士の6階層

闇魔道士達は6階層に進んでいた。





――半魚人が現れた!




闇魔道士

「なんか気持ち悪いのが来たな」




調合師

「生臭い……」




半魚人

「はぁはぁ、可愛い子がいる……」




調合師

「うわぁ……」




狂戦士

「可愛い子ってのは俺様のことか?」




闇魔道士

自惚(うぬぼ)れるな、きっと我のことだ」




調合師

「何この男ども……」




半魚人

「ふへへ……、ここを通りたかったらそこの女の子さぁ、僕のお嫁さんになってくれないかなぁ」




調合師

「絶対いや」




闇魔道士

「ふん、誇り高き(われ)が貴様のものになる訳がなかろう」




狂戦士

「俺も身体だけの関係はお断りだぁ!」




調合師

「なんでさっきから自分の事だと思ってるのバカなの……?」




半魚人

「じゃあしょうがない! 僕と勝負してもらうよ、フードファイトでね!」




闇魔道士

「ふん、刺身(さしみ)にしてくれるわ……ってフードファイト?」




半魚人

「どっちが早く食べきれるか勝負だ!」




狂戦士

(おも)(しれ)ぇ! ここは俺が行くぜ!」




闇魔道士

「それで、料理は?」




半魚人

「この『半魚人特製スープ』さ!」




――スープからは異臭が(ただよ)ってくる!




闇魔道士

「うっ、これは何が入ってるんだ……?」




半魚人

「トカゲの卵に(へび)の皮にコカトリスのトサカにタバスコに、あとベニテングタケに」




闇魔道士

「食べられるか!」




狂戦士

「食べるぞ」




闇魔道士

「食べるのか!?」




狂戦士

「残すぞ」




闇魔道士

「諦めるのが早いわ!」




調合師

「死んでも食べろ」




闇魔道士

「くっ、このままじゃ半魚人が食べ終わってしまう!」




狂戦士

「その半魚野郎だが、さっきから動かねぇぞ」




闇魔道士

「何だと? おい、半魚人」




――返事がない。ただの(しかばね)のようだ。




闇魔道士

「死んでる!?」




調合師

「自分で作ったスープで死ぬなんて……」




狂戦士

「へっ、口ほどにもねえ奴だぜ」





――その時、前方から巨大なオークが現れた!




闇魔道士

「クソっ! 次から次へと……!」




オーク

「ぐへへ、可愛い子がいる!」




調合師

「デジャヴ……」




闇魔道士

「ふん、モンスターなんぞに()められても(うれ)しくないわ」




狂戦士

「俺は意外とガードが固いんだぜ?」




調合師

「こいつらもデジャヴ……」




オーク

「脱いじゃおっかなぁ! 俺のムスコさん見せちゃおっかなぁ!」




調合師

「ひっ! 二人とも早く倒して……!」




狂戦士

「ヒャッハー! 俺様の獲物(えもの)だぁ!」




闇魔道士

「アレが倒せるのか?」




狂戦士

「ったりめぇだろ! おい調合師ぃ!」




調合師

「何……?」




狂戦士

「俺に向かって『お願い助けてお兄ちゃん』と言え!」




闇魔道士

「お願い助けてお兄ちゃん」




狂戦士

「テメェじゃねぇよ!」




調合師

「嫌だ気持ち悪い」




狂戦士

「本気で拒否するのやめて」




オーク

「ぐへへ! そんな事より俺のムスコさんを見てみない?!」




調合師

「ひっ、もう! なんで敵も味方も変態(へんたい)ばっかりなの……!!」




狂戦士

「さぁ早く呪文を(とな)えろ!」




闇魔道士

「呪文て」




調合師

「お、お願い助けてお兄ちゃん……!」




狂戦士

「いよっしゃぁ!」




――狂戦士は大剣でオークを吹っ飛ばした!




狂戦士

「ヒャッハー! さすが俺様狂戦士!」




闇魔道士

「おお、やれば出来るんだな」




狂戦士

「おい調合師」




調合師

「な、何?」




狂戦士

「これから俺のことはお兄ちゃんと呼べ」




闇魔道士

「お兄ちゃん」




狂戦士

「テメェじゃねぇよ!」




おわり


お読みいただきありがとうございました!

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