ダンジョン編 13 五階層で一休み
――勇者と闇魔道士は五階層内のカフェで話をしていた!
勇者「で、六階層からはどうなってるんだ?」
闇魔道士「ダンジョンガイドによれば、5階層までとは比べようがないほどモンスター達の変態指数が上がっているそうだ」
勇者「やっぱここ変態の巣窟なんだな」
闇魔道士「それともう一つ。次からも道が二手に分かれている」
勇者「うーん、ってことはまたパーティーを二手に分けるか」
闇魔道士「最初と同じパーティー分けで良いか?」
勇者「俺は狂戦士と一緒は嫌だぞ」
闇魔道士「ではどうする?」
――その時、調合師がカフェに入ってきた!
調合師「勇者、傷の具合はどう……?」
勇者「おう、もうだいぶ良くなったぞ。お前の薬のおかげだわ」
調合師「良かった……。これでまた明日から人体実験に戻れるわね」
勇者「普段は俺で人体実験してたのかよ!」
調合師「冗談よ」
勇者「お前が言うと疑わしいわ」
闇魔道士「ふっ、勇者もケガをするとはまだまだだな。見よ! 我は無傷で5階層までたどり着いたぞ!」
調合師「スライムに塩振って料理してただけじゃない……」
――その時、地面を突き破って狂戦士が現れた!
狂戦士「ヒャッハー!」
――勇者は狂戦士にホットコーヒーを垂らした!
狂戦士「熱ゃちゃちゃちゃちゃちゃー! 何すんだてめぇ!」
勇者「店の床壊しやがって、お前が何やってんだよ!」
狂戦士「悟りを開いていたのだ」
勇者「左様か」
闇魔道士「納得するのか」
――その時、店の外からベロンベロンに酔った女騎士が入ってきた!
女騎士「うええええい!」
調合師「酒臭い……」
勇者「飲み過ぎだぞ女騎士」
女騎士「固いことを言うな勇者! これから一緒に飲みに行こうじゃないか!」
勇者「行かねぇよ! しっかりしろ!」
女騎士「うぅ……」
勇者「(泣いた!?) お、おい女騎士すまん。ちょっと言い過ぎたか?」
女騎士「ううう……ヒザの小指うった……」
勇者「どっから指はえてんだよ!?」
女騎士「こうなったら勇者のくっころを頂くしかない! おい、くっころを寄こせ!」
勇者「痛い痛い! 髪を引っ張るな!」
闇魔道士「完全に悪酔いしているな」
女騎士「おや? もしかしてこっちかな!」
勇者「痛いから腹をつねるな!」
女騎士「なんだただのティモピュライか」
勇者「わけ分かんねえこと言ってんじゃねえ!」
闇魔道士「さて、これでメンバー分けは決まったな。おい勇者、ちゃんと女騎士とはぐれずに進むんだぞ」
勇者「あ! お前どさくさに紛れてなに勝手に決めてんだよ!」
女騎士「おい勇者」
勇者「なんだよ!」
女騎士「ナデナデして」
勇者「は?」
女騎士「ナデナデして!」
勇者「いつまで酔ってんだよお前も……」
女騎士「いいからナデナデして!」
勇者「ああ、もう分かったよ、ほら」
女騎士「触るな」
勇者「」
つづく
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