裏側ホームラン
クシャクシャした顔に
ボタンを取り付ける
第三窓口から顔を出す為
丁度その辺りで
心臓が動いている
外の空気が冷たいのは
液体窒素を用いた
裏世界政府のお仕事で
物には順番がある事を
教えている
鬼では無く観察者
悪魔では無く管理者
まな板の上でフラダンス
先の話を
ベッドの中で話す人は
信頼性を垂れ流して
嘘を吸収している
右の人
左の人
嘘を回転させたら
本当に成るかもしれない
信じたいからの自由か
楽しみたいから
信じたいのか
日数を増やして
作り上げた失敗作は
諦めながら
続く毎日と似ていて
張り付いた手垢も
破れた端も
拡散したインクですら
愛おしくなって
虚しさと螺旋を描いた
蜘蛛は走り出した
あの隙間まで
命を繋げる為に
幾つかの足を捧げて
奇跡を祈る
大抵 叶う事は無い
全力で投げたボールが
ホームランになるんだから






