表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/8

ワスレモノ

ふと時間が気になったので、

壁に掛けてある時計を見上げた。


 8時5分前


少しだけ開けてあるカーテンから外の様子をうかがう、誰も見えない。

遠くで車の走る音が、たまに耳にはいる。


 土曜日かあ ゆっくりした朝なんだなあ


と、思った。

ちょっと寒さを感じるので、

お湯を沸かしにキッチンへむかう。

珈琲でも飲むかと考えながら、水道をひねり、しばらく水を流したあと、ホーローのヤカンに二杯分ほどのお湯を沸かした。


 フーボーーゥー


と、ガスコンロに火がつくと、

少しだけ暖かくなる。

その火に手をかざしてあったまると、

ココロも少しだけあったまるような感じがする。


 病院行こうかな


と、思いついた。

というのも、このところ体重が急に減ったこともあり、少し動くと疲れやすくて、とりあえずしんどかった。

食事はとっているし、前と変わらない量も食べているはずなのに、体は痩せていく、洋服はブカッとする、そんなことでなんとなく困っていた。


珈琲を飲みながら、合間に、たまった洗濯物をして、乾いた衣類をたたみ、そして、煙草を手に取った。


 タッ シュバーーッ


と、マッチで火をつけた。

職場で、使いさしのマッチが、

行き場に行き詰まりたまっていくと、

お前もどこにいけば良いのかわかんないんだなっと想いながら、私のポケットにいれてあげることになるなるのです。

そんなこんなで、

最近は、マッチを使う事が増えてきました。


 さあて、そろそろいかないと


と、身じたくに集中し、忘れ物がないか考え、玄関に近づく。


 あっ 鍵 鍵


と、あわてて寝室へ戻ってみる、

鍵置き場は決めてあるのだが、たまに守らない時ってありますよね。


やっとこさ見つけ、また玄関へ向かう、


 あっ あー持ってるな 良し


と、不安になったココロが、持ってるものまで、

ちゃんと持っているのかを確かめようとする。


 まあ 忘れ物してたって なんとかなるか


と、ココロに言い聞かせ、スチール製の重いドアを開け、階段をかけ降りた。


             ★


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ